非正規社員比率38.2%
総務省が12日発表した2012年の就業構造基本調査によると、非正規労働者の総数(推計)は2042万人と07年の前回調査から152万人増加し、初めて2千万人を超えた。雇用者全体に占める割合も非正規社員比率38.2%、男女とも過去最高に 20年前の調査と比べると、非正規の比率は16.5ポイント上昇した。15~34歳に占めるニートは5年前に比べて約1万5000人減ったものの、比率は2.3%と0.2ポイント上がった。
日本の社会が格差社会の様相を次第に明確にしてきた。アベノミックスはさらにこの傾向を深刻化することは間違いがない。リーマンショック以来の流れである。小泉改革の反省をしなければならない。韓国の実態を見なければならない。国際競争力に勝ちぬくグローバル企業の本質を考える必要がある。優秀で企業に役立つ人材と、そうでないその他大勢の人を峻別する社会。それでなければ、企業は生き残れないのだから、仕方がないだろうという合意。しかし、その競争に勝ち抜く企業は、グロバル企業であり、日本国の利益と一致するかは分からない。法人税の税率の引き下げの背景にある、それなら企業は出てゆくという圧力が常にある。しかし、日本で活動するものはすべてが、日本の社会インフラを利用している。どこが適正であるかは、国際的に共通とは言えない。日本には日本の事情があり、資源のそれほど豊かでない国としては、それなりの法人税が適正なのであろう。
法人税を得るためだけのタックスヘブン国。あるいは帝国主義時代に、十分な社会インフラを確立してしまった国は、日本ほど公共事業費を必要としないだろう。石油のような資源が潤沢である国。歴史的な慣習から、特別に法人税を安くしている国もある。日本は日本国として枠内に置いて、企業共々助け合い、支え合うようなものがなければ、競争に勝った時に、日本の良さが失われている可能性も高い。ブータンが幸福の国ということで、幸福に感じている人が世界一多いそうだ。その一番の原因は鎖国だと思う。1971年に国連に加盟し、1974年までは外国人の立ち入りを禁じ、鎖国を続けていた。インドと中国の間に存在し、国家の維持のためには巧みな外交力が必要であったのだろう。アメリカ、ロシア、中国とは今もって外交関係を持っていない。稲作を棚田で行うことや、仏教国であることからも、鎖国の経験からも、日本は学ぶべき点があるのだと思う。
ブータンの幸せを考えるとき、多くの人が信じがたいと考えるに違いない。ネットにもそういう考えが良く書かれている。その見方は一面では正しいのだと思う。すでに、桃源郷のような、隔離された幸せ国は作れなくなっている。世界の価値観が経済に傾斜している中で、経済的な困窮の中で生きることを選択することは、難しくなっている。すべての人が貧しいというのであれば、可能であるつつましい暮らしも、よほどの理念や宗教がなければ維持することは難しい。格差社会の問題点は、ここにある。同じ地域に暮らすものの生活のレベルが、極端に開きがあるとすれば、不幸や、不満を感じざる得ない。病気になり、高度医療を受けられ寿命を延ばす人もいれば、簡単な病気で死ななければならない人。みんなが同じ状況で死ぬのであれば、受け入れることもできるが、ここに経済から来る格差があるとすれば、安心立命は出来ない。
日本が目指さなければならないのは、さらに競争を激化するのではなく、この競争を終息させることである。中国も、韓国も、格差は日本より激しい。このことは必ず社会の混乱に向かう。人間はそういうものだ。アベノミックスがそうした競争に割り込むことは、国内の格差を広げざる得ない。少々問題があっても、原発輸出をせざる得ない。今参議院選では、この安倍自民党政権に支持が集まると言われている。日本人の選択が、格差社会だということだ。このことは自覚して投票してもらいたい。自分がおこぼれをもらえるかもしれないというのは幻想である。正規社員になれる人、国際競争力のある企業に勤務できる人。どんどん限定されてゆく。一部の有能な人だけでいい社会。大半の人が単純労働力となる社会。この方角は、ブータンといえども巻き込まれる可能性は高い。日本がほどほどの暮らしで満足する道を探ることは、地場・旬・自給ではないかと考えるのだが。
昨日の自給作業:大豆の直播2時間 田んぼの草取り2時間 累計時間:23時間