河野太郎の歯ぎしり
河野太郎氏は行政改革と反原子力発電を主張してきた。父親の河野洋平氏が平和主義を貫いて来たのと似ている。内閣に入ってどうかということが問題になる。私もメールマガジンのごまめの歯ぎしりを長く読んできた。昨日も来ていた。大臣就任の流れが記載されていた。今回の内閣に加わるに当たってのブログ対応は当然のことだと考えている。つまり、内閣の一員として、決まったことには従い、守秘義務は守るということである。原発再稼働については、従来からかなりあいまいだったと思う。福島原発事故以前は、核燃料サイクルにははっきりと反対をしていたが、原発そのものに反対していた訳ではない。直接講演を聞く機会が2度ほどあって、当時は明確にそう答えていたのを覚えている。事故後原発再稼働にどういう理由で反対なのか、もう一つ明確ではない気がしていた。どことなく周りが、反原発の自民党内勢力ということで見られているうちに、なんとなくそういう立場に立ってしまったように思えた。そして今回の入閣である。安倍氏の自信過剰を感じる。
正直なところ反原発は抑制しても、行政改革の方で頑張ってもらいたい。財政再建をやれるのかどうか踏ん張りどころである。おかしな予算の使い方を今までの持論の通り、厳密に主張してどこまでやれるのかを期待したい。民主党のやった「仕訳」については河野太郎氏がむしろ専門家である。なるほどという意見を何度も読ませてもらった。その都度、自民党にいる河野氏であっても何もできないものだという感想は持っていた。それが、内閣に加わって何かできるようになるのかを着目したい。河野太郎氏は極めて有能である。総理大臣になりうる逸材だと思う。その試金石が今度の入閣である。安倍氏を説得できないようでは、日本を任せるようなことは出来ないのだろうから、注目である。安倍氏よりも安倍氏の背景にある、鵺集団と河野氏がどのように渡り合えるかである。その意味からも、反原発を声高に主張したところで、思うつぼなのだろう。この先原発は高価な発電方法ということで、撤退することにならざる得ない。核廃棄物の処理法がない状態はそのことを示している。ごみを地中に埋め込む以外ないような発電方法がまともなわけがない。
河野洋平氏との関係も気になるところだ。河野洋平氏は平和主義者だと思う。まだ現役のころの河野氏もむしろ自分が、9条の会に入りたいくらいだと発言していると直接秘書から聞いたことがある。洋平氏の事務所にはいつも秘書の人がいて、対応をしていた。何回か地域のことに関する活動への参加を要請する文章を持って行ったことがある。今回の安保法案でも河野氏は反対である。それらのことは改めて書きたいと考えているが、慰安婦問題などで、河野談話の影響が河野太郎氏にまで及ぶような気がする。慰安婦問題に関する河野談話は正しい行為だった。多くの人があの時謝罪の気持ちを持った。しかし、その後の韓国の政権はあの時の合意事項を忘れたかのように、蒸し返している。これでは何のための和解行為であったかわからない。和解など出来ないとしても、あの時の互いに堪えた我慢の心を生かして、未来志向に転換するはずだった。
河野太郎氏の良さは、良く学ぶことだ。現場の資料に当たっている。現実を見ながら数字的な背景を照らし合わせることができる。その点実に緻密な人だ。核燃リサイクル施設の無駄使いの歴史をわかりやすく講演していた時にはその把握力に驚いた。核燃料を入れ稼働してはならない。今やめれば廃棄する処理費が、まだまだ安くなる。もし稼働してから失敗となって、廃棄する場合いくらぐらい処理施設の処分費用が必要になると説明していた。結局稼働してしまった訳だから、自民党内の支持者は少ないということなのだろう。小泉新次郎氏と神奈川連帯をして、自民党を変えてくれないだろうか。