ヤフーオークションの欺瞞

   

ヤフーオークションで時々買い物をする。篆刻の印材石は他ではなかなか売ってはいないので、オークションで買うほかない。ネット通販では通り一遍の石以外売られてはいない。この石は面白いと惹きつけられるような石は、オークションを見ていて時々出会う。印材の石だから、彫られていても構わないというところが良い。彫面を平らにしてからまた使えば問題は全くない。むしろ過去に作られたことのある石の方が、使えないほどのひび割れや、硬くて彫れないところがまずない。新しい石を購入すると、10個に一個ぐらいは何か問題がある。学校で何百個も毎年購入していた結果である。なんで篆刻石を買いたくなるかと言えば、彫りたくなる字と石は関係があって、この字と思っていても、それにふさわしい石に彫りたくなる。それは大きさもあれば、彫り味もある。もちろん出来上がった印鑑の見た目もある。それほどの字を彫っているわけではないが、素人なりに気になる。

印材となる石は中国ものが大半である。中国で彫られた印材が日本で売られている場合もよくある。その方が多いいのかもしれない。寿山石が一番多いい。その中に鶏血石とか、田黄石などという珍宝があるわけだ。私にはどこがいいのかわからないが、美術館に自慢げに飾られていて、宝物の扱いの石まである。印材の頭には、龍や獅子が彫られていることがよくある。これもまた何ら感興がわかない。陳腐だとしか思えない。面倒なことをわざわざして、石の良さを壊していると思う。頭の丸い石の方が美しい。青い石には惹かれるところがある。一つはほしいと思うのだが、これは高くて買ったことがない。4000円くらいから始まり上には上限がない。青の石は中国ではなく、アフガニスタン産出である。アフガニスタンからは、変わった石がそのほかいろいろ存在するようだ。茶系の透明色の石を持っているが、これは実に変わった石で見ていても飽きが来ない。青い色の石は青金石と呼ばれる。ラピスラズリ―である。中世から高価な顔料としては使われていたものだ。ウルトラマリンブルーの一昔前の色になる。この色が高価すぎるので、人工的に作り出せないか工夫して、確か懸賞がついたらしいが、ウルトラマリンブルーがそれでできた。

青金石の印材は高い。いつかはほしいと思い、ヤフーオークションに入札するのだが、まだ買えないでいる。以下のことは、2回ヤフーオークションに意見として出した事実である。買えないのは、販売する人が自分で競り落としてしまうからだ。それなら最低入札価格をつければいいのだけれど、そこはオークションで販売者としては、競り落とそうとする人の心理操作テクニックを使ってせり上げようということのようだ。ある石が、何度でも同じ人が落札するのに、その石が又オークションに出てくる。最初は不思議なことだと考えた。追跡をしてみたら、どうも販売者が落札してしまうという結果だ。つまり安く売りたくないから自分が落札する。上手く引き上げに引っかかれば、高値まで釣り上げられるかもしれない。真偽の判断はせってくる人が評価が1の人である。こういうことが許されるのかと思うが、ヤフーオークションではこの点は野放し状態である。だから、印材のオークションを見ていると、同じものが何度でも出てくることは珍しくもない。落札されたのにまた出てくるということを注意してみていれば、誰にでもすぐわかることだ。

良くルールは知らないのだが、販売者は、落札が成立したときには、5%くらいの利用料をヤフーに支払うことになるのだろうと思う。だからヤフーにしてみれば、自分が落札を繰り返したところで、何の問題もないことになる。もちろん自分と言ってもちがうIDを使うのだから、ヤフーではチェックできないという言い訳も用意されている。繰り返し販売者がオークションに参加して、高値を誘導する。失敗して落札して、また、高値で売ろうとするという、普通のオークションでは考えられないのがヤフーオークションである。このおかしな手法が野放しになっている。そのつもりでオークションを利用しないと、ばかばかしい間違いを起こすことになる。むしろ、販売者も入札に参加しているオークションである。と明言した方が間違いが減らせるとということではなかろうか。と言いながら、恥ずかしながら、小さな青金石を2000円で落札した。果たして本物だろうか。本物の青金石かどうかではない。プラステックの印材が送られてきたらどうしようかという心配をしている。

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