水の自給:湧水の安全判定

   

今日は格別嬉しい事を書く。わたしの家には、湧水がある。長年出無くなっていた湧水が、昨年の大震災でどこかが抜けたのか、ちょろちょろ出るようになった。そして、1年間止まることなく、湧き続けている。これで完全な自給自足が可能になったということである。不幸中の幸い。震災で出るようになったのだから、次の震災の時にはこの水を非常用の水として使えということではないか。飲めるものかどうか、合同庁舎にある衛生研究所に出してみた。12項目の簡易検査であるが、問題はなく、飲める水だと言う事だ。久しぶりに嬉しく気持ちが晴々した。日常使うなら、55項目という検査を行う必要があるが、緊急時の飲料水としては大丈夫使えるということである。有難いことである。この水は、江戸時代の横井戸ではないかと思われる。舟原日向の古くからある家は、この横穴からの井戸水で、暮らしていた。考古学をされている諏訪間さんの話では、湧水の時代による高さの変化で、住居跡が移動している。と言われていた。

江戸時代初期には、この標高150メートルあたりの高さが、水の出る生活しやすい高さだったのだろう。久野川から距離で100メートル標高差30メートルほどの南斜面である。横穴は北側の斜面に掘り進んでいる。つまり熊野神社のあるありが水源になる。人が掘って進んだ掘り抜きらしい。下の欠ノ上の集落では、久野川からの引き込みの水路が、何本もあるらしい。また、一山向こうの坊所の集落から、山をぶち抜いた水路まである。水路の横穴を掘る技術は、普通にあった地域のようだ。聞いた話だけなので分からないが、数百メートルは奥行きのある横井戸のようだ。穴の大きさは高さ1メートルの幅50センチくらいのものだ。これは欠ノ上で見た横穴水路と同じだ。不安は、化学物質の混入。あるいは農薬、化学肥料の混入。井戸の上部に人家はない。もちろん工場はない。過去に何かを埋め込んだことがあるかないか。上部に採石場があった時代があるようだが、そうした跡地に何か廃棄物でも埋められたことがある可能性が、ない訳ではない。

今は上の方はスギと、ヒノキの林である。一部、みかんと栗とサトイモぐらいが作られている。この畑と井戸の横穴との標高差で言う50メートル位である。50メートルの地層が農薬等の浸透を妨げていると考えていい。又この湧水が地表に現れるあたりでは、横穴の出口は、現在完全に埋められてしまい、一本細い塩ビ管がでているだけである。だから、動物等が、奥にたどり着くことはまずない。昔から使っているということは、特殊な地層の土壌から来る有害な鉱物などの害は考えにくい。鉄分の混入も低い。大腸菌や細菌も存在しない。この水を日常の飲料水に利用するのでなければ、十分使えると考えていいだろう。この調査で1万円位だった。わたしが行った時も、何人も見えていた。井戸水の方ばかりだったが、水道のない所では、無料で水質検査が出来るらしい。

水温は、どの季節でも15,5度である。今は風呂桶に貯めて、水やりやら野菜の泥落としに使っている。ホースをつないで、畑のあちこちに水を回している。冬は何ともあたたく使いやすい。苗トレーの水やりには、この水が冷やさなくていい。風呂桶の中はいつの間にか緑の苔が生えて来る。水の量がどの程度のものか、途切れないものか。一年確認をした。大丈夫なようなので、いよいよ池を作る。田んぼが出来れば面白いが、そこまでの水量はない。こういう水で金魚などは生きて居るものだろうか。池を作って、金魚を飼ってみたい。その池には蓮やらクワイなどを植えてみたい。そこに浄化槽からの排水をつないで、人間の糞尿の浄化水もながし込みたい。夢は広がる。

 - 暮らし