第66回水彩連盟展作品感想

   

水彩連盟展をゆっくり研究させていただいた。一日掛けて、何度も見せてもらった。人は結構入っているようだったけど、どうも会場が狭くなったと言う事で、混雑していたと言う事らしい。上野の昨年までの入場者より、だいぶ減少しているそうだ。今日明日の土日に集中してくると言う事が予測される。間違いなく、上野より、人は来る様になると思う。全体で、681点の水彩画が展示されている。これを水彩画のデパート言った人が居たが、なるほどで、自らが専門店と言わないところが、奥ゆかしい。デパート言う事は何でもありそうだが、それほどの物はないという事か。絵画とは何かと言う議論は別にして、水彩という材料を使い描く、絵らしきものの、全技法が網羅されている。1時間に100枚見たとしても、1枚あたり、1分も見ていないのだから、本気で絵を見る。というのも体力仕事で、大変な事だった。

絵はその人の制作の歴史から見ている。その絵から何をもらえるか。高橋やよ子さんがいい。精神が存在する。内容が深い。人間が居る。制作の態度がしっかりしている。栗原直子さんも良かった。静かな世界観が美しく響いてきた。佐藤まさかずさんの田んぼ、これも魅かれた。今までどんな絵を描いていたのだろう。新潟の人らしい。田んぼは良く描くのだけれど、こんな風に深めてゆく事も出来るのかと驚いた。この田んぼは機械植だ。手植えの田んぼとは又違う。死んだような世界で、この土に生きる有象無象に触れないで居るのは、大規模農業をされている人だろうか。宮本正義さんの色はいつも耀いている。親しげで、優しい色合いが、格別だ。岡田安正さん。この方も色がいい。学ぶところが色々ある。太田宣子さんも色がすごい。どうしてこんなに美しい色が重ねられるのか。不思議なくらいだ。水彩画の良さは色による場合が多い。透明な色感の見事さ。佐藤すみ枝さん大胆で、強引で、ほとばしる勢いがすばらしい。良く出来るな。度胸が絵にある。そうでありながら美しい。古谷幸明さん、格段の深まり、展開、こんな時はうれしいだろうな。茂野あきこさん、変貌に変貌を重ねている。すごい。驚きがある。生きている。生々しい。血が滴っている。苦しく不安だろうな。もういいからという気になる。菊池利彰さん、上品だな。すごい繊細な構成力。積み重ね。構造がある。眞子達夫さんも引き寄せられていまう。何気ないけれど中々魅力的。佐原理さん気持ちの良い展開が感じられた。どんな人か知らないが、何があったのだろうか。塩川雅子さん川の流れを繰り返し繰り返し描きながら、段々、それが絵になってくる不可思議。何を繰り返すのか。波が繰り返されるのか。光なのか。何かの観念なのか。冨摩澄子さんこの絵も色がすばらしい。深い味わいがある。うらやましい。井上雅恵さんの世界も一段と深い。精神的奥行きにえもいわれぬ魅力がある。北野喜代美さんはすばらしい展開をした。絵画性明確に成って、学ぶ物が多々ある。金子つるさんの変貌にも驚き。すごい頑張りと言うか、本気度というか。日々新たなり。

ところで自分の絵はどうだろう。浮き上がっているのは、間違いない。異質感。公募展の絵というものは、なんだろう。個展ではあれほど展開を見せた。大原裕行さんが。水彩連盟ではまるで良く無い。挑戦的な気力が無い。公募展というものは何だろう。

 - 水彩画