中日農業先進実用技術普及会

   

昨日農文協より、中国江蘇省鎮江市「中日農業先進実用技術普及会」ご参加のお願いというものが、届いた。全く予想しなかった事なので、ビックリした。中国には行ったことがある。もう20年も前になると思うが、春日部洋先生と、絵を描きに行った。桂林へ漓江を描きに行った。2週間ほどの旅行だった。独特の景観で、なるほど水墨画と言うものが、こういうところから出て来ているのか。と言う事は良く分かった。この時は、春日部先生のお陰で、随分好待遇で、ホテルでは一番良く見える部屋で、描かせてもらえた。あのホテルのあの部屋で描きたいとか。あの家の屋根の上で描きたいとか、我儘邦題でご迷惑をかけた。ともかく筆を、山ほど買い込んできた。1本10円くらいで、山猫の筆とか、何とかヤギのひげの筆とかが買えた。今も大切にしている。向こうで、お会いした水墨の大家の方に、どんな筆をお使いですか。こうお聞きした。銀座の鳩居堂のものです。そう言われて、見せてくれた。

今回のものは、自然養鶏技術の講演と言う事らしい。私のやっている事が役に立つならば、是非とも行きたいと思っている。今まで、海外の方では、タイの山岳民族の方。韓国の方。インドネシアの方。などが見えたことがある。しかし、そのときも感じたのは、各国おかれた状況が違いすぎて、もし私がタイで養鶏をするなら、きっと随分違った養鶏になるだろうと。自然養鶏は、その地域地域での状況に応じるところが特徴だから当然だ。例えば、食品残渣はどの国でも出るだろうが、内容は違う。この違う物をどう使えばいいのか。この辺りは、慎重に考えなければ、とんでもないことになる。飼料の基本と成るもの、例えばおからのサイレージは不可欠と考えている。乳酸菌の増殖だ。これに変わるサイレージ向きの廃棄物が条件良くあるのかどうか。

好気醗酵には米糠とか、フスマとかが、格安に手に入らなければ成らない。その上で、害にならない、例えば、鰹節のような良質の蛋白があるのか。緑餌についてはどうなんだろう。草はふんだんに生える気候なのか。放し飼いにする資材は大丈夫か。具体的に考えても、それは様々だけれど、背景になる考え方のほうは、通じ合うのだろうか。地場、旬、自給の精神とか言っても、これはどうなんだろう。技術はその裏付けになる、考え方が通っていないと、おかしなことになる。日本に押し付けられた、有機JASの規定など、日本の農業を良くしているとは、とても思えない。中国という国は大きくて多様で、考え方も能力の種類も共通な感じが余りしなかった。経済的な状況の違い、これも大きく養鶏に影響する。タイではケミと言って化学肥料を使ったと言う事で、付加価値が感じられるという話があった。子供の頃よく言っていた、金肥というのだろう。

それでも、役に立つなら協力したい気持ちは山々だ。古代以来日本の文化技術あらゆる物を、中国から学んだ。今は、経済進出という形で、日本資本の工場がかなりあるのだろう。これはよくないことだと考えているが、20年前も大歓迎と、中国政府の人は言っていた。庶民はどうだろう。いずれにしても、中国という国が、これからの世界の命運を握っているようなものだ。中国人が、アメリカ人と同じような暮らしをするようになれば、世界に食料はなくなる。今その道を着々と進んでいる。卵とか、飼料とか、現物の持ち込みは可能なのだろうか。農文協で作ってくれたビデオは持ってゆく必要があるだろう。

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