食糧自給率と人口推計

   

最近良く聞く数値に、食料自給率40%と、50年後の人口推計が8000万人台がある。どちらも関連が深い問題だ。人口が減れば食糧の自給がやりやすくなる訳で、悪い事ではない。

日本の食糧自給率が「低い」と感じている人は大幅に増え、7割に達した。調査は、11月に全国の成人3000人を対象に実施、1727人(57.6%)が回答した。 日本の食糧自給率は、98年度から8年連続40%と横ばいが続く。この数値が「低い」「どちらかというと低い」と答えた人は合わせて70.1%。だ。
 「外国産の方が安い食料は、輸入する方がよい」と考える人は7.8%で、調査を始めた87年以降で最低を記録。逆に「高くても国内で作る方がよい」という人は86.8%で過去最高だった。

これが本当のところなら、期待ができる。食料自給をするためには、食べる人の意識改革が一番必要だ。高くても外国産の農産物は買わない。それが自分たちの為なのだ。と考えるようになれば、どんな政策より、関税がどうなろうが、あるいはWHOの取り決めがどんなにおかしく決まろうが、大きな力を発揮する。自分たちの暮らしを守る為には、国内産の食料を食べるしかないと考えるように変われば、食糧自給は可能だ。

日本の食糧自給も50年前には80%あって、まともだった。耕作できる場所は、殆どが耕されていた。あの頃の状況は、良く覚えている。さらに、印象に強く残っているのは、あの後、転がるように日本の農地が減っていった事だ。宅地が広がり、工場ができ。道路が出来た。東京オリンピック前後は、違う国に成ってしまったようにめまぐるしく変わった。

まず、働く畑がなかった家の人が、あちこちに働きに出た。最初は、何となく哀れな感じもした。あっという間に外に出ている家には、テレビが入った。バイクが入った。外に出れる家では、みんな出るようになった。農作業は、三ちゃん農業と言われ、年寄りと女性がやるようになった。自給率はそれを追うように、下がった。当然な事で、耕作地が急減した。大都市近郊は農村の人口を吸収しながら、工業地帯が広がって行った。山梨の山村に49年に生まれた私の今までは、農地が失われる経過だった。

この間人口の爆発的増加が在った。8000万人台だった人口が、50%も増えると言う恐ろしいことがおきた。自給率を保つ為には、食糧は増産しなければならなかった。にもかかわらず、優良農地は目に見えて減少した。人口が8000万人と言うのは健全な数値だ。日本の国土から言えば、4000万人ぐらいが良い所だろう。社会保障だとか、老齢者比率とか、自分の老後の問題にこだわっては居られない。人口は減らなければ、地球は崩壊する。

もう一つ数値を上げれば、耕地面積の変化だ。600万ヘクタールが過去最大の面積。現在、470万ヘクタール。これは国土の13%に当る。耕作可能面積の半分ぐらいと見れば言い。では、どのくらいの面積があれば、完全自給できるかと言えば、農水省は1700万ヘクタールと予測している。こうしたおかしなことを考えているのは、以下に現実的に考えていないかの証拠だ。

農地の活用を、一作で考えている、200%ぐらいの活用を行う、人口が8000万人まで減少する、食生活がまともに成り、食べれる物を捨てなくなれば、600万ヘクタールで可能だ。

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