台湾は台湾人の国

   



  台湾は中華民国を止めて、台湾国に成る方が良いのではないか。中華民国は正式名称としてはかつての中国本土の進化以外革命で出来た共和国政府の名称である。それが追われて台湾にまで移動した。中華民国台湾とよぶこともあるようだ。

 中国本土の中華人民共和国は共産革命で誕生した国だ。蒋介石を台湾まで追い詰めたのだ。台湾は今に至れば、中華民国にこだわる必要は無いように見える。国連で承認された国家になるためにも台湾になった方が良い。この対立状態ではいつまでも中国からの併合圧力に抵抗し続けなければならない。

 現状は台湾と中国本土との間には中間線という者が存在し、そこを越えて中国軍は時々入る。中国本土から10キロの所に金門島とがある。この島は台湾からは200キロも離れている。1970年代まではこの島は中国との最前線で、砲撃戦まであった。

 現在は中国からの観光地からの観光で賑わっているらしい。金門島を奪回すると言うことが、中国国内のすべての組織を人民公社化して共産化して行く原動力になったと言われている。中国の複雑な公有的土地所有制度や移動制限のある戸籍制度などが行われた。

 そして、香港やマカオと同じように中国ではない地域として金門島が維持されたのは、アメリカ軍が台湾に駐屯し中国共産軍との最前線という位置づけがあったからだ。それは1971年キッシンジャーの中国訪問で中国との関係が改善されるまで続いた。

 そして、1979年米中国交が樹立され。1980年アメリカは台湾と断交することになる。背景には1973年にベトナム戦争でのアメリカの敗北がある。アメリカは防衛戦略を台湾から返還したはずの沖縄および日本に重点を置くようになる。

 表向き台湾はアメリカからも日本からも見捨てられたようなひどい状態になる。背景ではアメリカ国内では台湾関係法が1979年4月に制定されて、フィリピンと沖縄の米軍が台湾の防衛にも当たることになる。

 来年になればなんとかまた台湾に行けるようになるだろう。多くの日本人が人間らしい人達が暮らす台湾に行くことだろう。その時には台湾と中国の関係も思い出して貰いたいものだ。そして日本がいつか台湾と国交を回復しなければならないと言うことを考えて欲しいと思う。

 香港で分かるように、中国に組み込まれれば自由や民主主義は失われる。これは人間の最も大切にすべき価値からの後退である。台湾の魅力も失われて行くはずだ。国という枠は本来徐々に薄れて行く方が良い。一国主義は歴史の逆行である。

 台湾は台湾TAIWAN(たいわん、繁: 臺灣 / 台灣)として独立を目指した方が良いのではないだろうか。台湾と中国は違う。75年も対立をしてきたのだから、当然違う国になっている。確かに歴史的には中国の一部であったのだろうが、そういう歴史だけを根拠にすれば、国の枠はいくらでも変わる。

 台湾は琉球と呼ばれていた時代がある。高校の頃山川書院の世界史の教科書にはそのような地図が載っていた。今ではどうなっているのだろうか。沖縄も琉球であり、時代によって微妙な名称の変化がある。小琉球、大琉球とされたともある。大きな違いは中国語をしゃべるのが台湾であり、日本語をしゃべるのが沖縄である。と言っても両者とも通じるほど似ても居ないのだが。

 近いと言えば、石垣と台湾は近い。与那国島と台湾は定期航路を復活させることになった。与那国も自衛隊基地を明確に関し業務だけに限定すべきだ。そうすれば、台湾と現実的な改善が起こり、多くの観光客が訪れる島になるはずだ。与那国馬と、与那国牛と、与那国ヤギの放牧の島など良いだろう。

 中国周辺の朝貢国家の位置づけとしては台湾も日本も似ていたのだろう。中国は皇帝の大帝国であったのだが、覇権主義ではなかった。今の習近平政権が覇権主義的である意味は不思議である。本当の大国は自らの自立だろう。世界帝国を目指せば崩壊する。

 台湾の人口は現在2300万人である。面積は35,980 k㎡ほぼ九州と同じくらいである。人口密度は九州の倍くらいあるから、かなり街が続いている感じである。しかし、4000メートル級の山脈がある。人間が暮らすには理想の島ではないだろうか。

 気候は恵まれていて、国土は多様性に満ちている。雪の降るような山もあれば、珊瑚礁の海もある。人種的には中国人が大半であるが、台湾に渡ってきた年代の違いで大きく分かれている。原住民と呼ばれる中国人が来る前からの人もわずかだが残っている。原住民という呼称には差別的なニュアンスはない。

「自分は台湾人」と答える人が、96年の直接選挙の導入を節目に長期的な増加傾向を保つ。今年6月には前年比で8・5ポイント増え、過去最高の67%に達した。年代別では、20代が8割、30代も7割を超す。その半面、「自分は中国人」は過去最低の2・4%にとどまっている。

 これは当然の成り行きだろう。香港の人達の抑圧され始めた政治状況を見れば、誰が中国に近づきたいと思うだろうか。中国はアメリカにすら対抗できる経済力を持ちはじめている。アジアの中小の国々は中国を中心にひとまとまりになることが望ましいのだろう。

 別段中国にならないでも、中国と良い関係の国になれば、互恵関係になる。アジア諸国がヨーロッパのような、節度のある経済統合を目指すことは東アジアの希望である。中国がいかに普通の国になれるかであろう。日本も中国と敵対するのではなく、平和的な友好関係を模索しなければ未来はない。

 ただし、そのためには中国が民主主義国になること。周辺諸国の権利を尊重すること。軍事的な圧力をかけないことなどが、大前提となるだろう。アメリカが世界から手を引き始めている状況では、新しいアジアの枠組みを考えることは必ず必要になるだろう。

 そのためには日本の役割は大きい。中国の圧力をどう緩和しながら、日本が台湾をどのように国家として認めて行くのか。日本は韓国と仲違いしているような場合ではない。アジアの平和のために、協力関係を模索しなければならない。
 
 今回のコロナ騒動でもアメリカの対応は大失敗であった。経済優先のつもりが、コロナの蔓延で経済が恐慌状態である。日本も同様である。世界で最もコロナ対策を成功させたのが、台湾である。いかに台湾の人達の心配りが優れているかである。

 台湾は自由を重んじる民主国家である。その政治体制の中で見事なコロナ対応をしたのだ。強制的な制限を加えず、自主的なコロナ対策でコロナの感染を抑えきったのだ。世界がモデルとすべき対応である。少なくとも沖縄は同じモデルが取れるはずだった。しかし、沖縄は全国一のコロナ密地帯になってしまった。

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