生ごみの堆肥化の現状分析

   

生ごみの堆肥化と一般に言われているが、これには「消滅型と堆肥化」の二つの手法に大きく分かれる。消滅型は発酵を利用して、生ごみを出来る限り小さくしてゆく手法である。ダンボールコンポストのデーターにおいては、3~5%に生ごみが減少するという結果がでている。減少率は生ごみの内容によるが、一家庭で半年分の100キロのゴミが5キロ程度に成ると考えられる。この生成物を庭やプランターや農地にに戻す手法である。
 堆肥型においては減量が主目的でなく、畑における土壌改良や肥料的効果が期待されている。この場合はより良い堆肥を作る資源として、生ごみを考えることになる。現在行われている、二見リサイクルセンターの事業系食品残渣の堆肥化事業。大型商業施設や、野菜市場における堆肥化も既に展開されている。家庭における堆肥化は「EMバケツ」普及が進んでいる。
 小田原市においては、第一ステージとして、家庭において消滅型を中心に進めてゆくことが、回収法、還元法の簡易さからも有効な手立てと思われる。
 家庭における消滅型や堆肥化の手法には、「ダンボールコンポスト」「電動式生ごみ処理機」「手動式の生ごみ処理機」「トロ箱方式」「ミミズコンポスト」「EMバケツ」「庭置きコンポスター」「庭・畑への還元方式」など多様に実践されている。
 既に「電動式生ごみ処理機」が市行政による補助事業として、900台が設置されている。現在利用されている台数は640台程度と予測される。問題点は電気代が1家庭1年間1万円はかかるというところにある。その意味で初期の生ごみ処理への啓蒙事業としての役割は、一定果した終えた。と考える手法と思われる。これ以上の拡大がむしろ、環境負荷を高める事になる。
 「ダンボールコンポスト」は市民活動補助金による10万円の補助事業として、100個の無料配布を行った所、半年で140個の配布が実施できた。その後の有料配布の実験においても、1日の販売で1セット1000円の配布で6個。中の発酵基材500円が7個販売されている。管理には費用がかからないところ。半年後の生成物の量が少なく、その後の利用法まで家庭で簡潔可能な方法である。ただし、「ダンボールコンポスト」はその管理技術が難しい為に、技術を獲得するまでに練習が必要で、誰にでも取り組める方法ではない。
 小田原市において一番古くから取り組まれている方法は、農村地域においての、コンポスターや堆肥置き場を利用した畑への還元法である。これは減量の為に行われているというより、昔からの暮らし方の中で引き継がれてきた暮らしの知恵であろう。こうした手法を環境政策としての意義を明確にする事で、今後無理なく拡大できる分野だと思われる。

 あくまで推測ではあるが、さまざまな手法によって進められてき手いる堆肥化の現状するを推測してみる。少なく見積もって既に小田原市1000軒程度の世帯で、何らかの生ごみの減量努力が進んでいると考えていいようである。内訳、電動処理機650。ダンボールコンポスト100。EMバケツ50。庭置き形100。農家における堆肥化200。
 こうした各家庭での堆肥化の方法による、生ごみの処理は目標として、世帯総数の10%までと予測される。第1ステージの目標値を7500世帯に置くことが妥当な目標と思われる。この方法の優れている事は費用が安価で済む事である。現在行政が行っている、生ごみの1キロあたりの処理費用は、手法によって10円から40円の間と思われる。各家庭が出す250キロの生ごみが堆肥化された場合。2500円から1万円の費用の削減になる。行政がこの第1ステージに掛けられる費用はこの範囲と言う事になる。これは、生ごみの堆肥化を行い、確実に削減できる費用となる。
 
第1ステージ家庭における生ごみ堆肥化推進方法
小田原において家庭において取り組める世帯を10%とかんがえると、7500世帯である。これはおおよそ1500トンの生ごみを焼却せず、土壌に還元することになる。これで焼却ごみの2,7%の減量が予測される。この数値はごみの全量から見ると、僅かな数値である。しかし、この7500世帯においての取り組みが、第2ステージとなる小田原市の生ごみ堆肥化センター方式の準備としてのどうしても必要な方法であろう。家庭で堆肥を作ると、発酵の姿、臭い、発生する虫、混入する異物の問題と直面する。

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