遺伝子組み換え作物
雑草から組み換え遺伝子検出。三重県内の国道沿いに生えていたアブラナ科の雑草に似た植物から、特定の除草剤が効かないよう組み換えた菜種の遺伝子が検出。輸入した遺伝子組み換え菜種が輸送中にこぼれ落ち、国内に広く見られる雑草のイヌガラシと野外で交雑した可能性が高い。調査した「遺伝子組み換え食品を考える中部の会」(名古屋市)の河田昌東・四日市大非常勤講師は「組み換え遺伝子が野生植物にまで広がる可能性が出てきたことで、農作物だけでなく生態系への影響が懸念される」と話している。(以上東京新聞)
予想通りだが、恐ろしい自然への影響が現実化してきている。遺伝子組み換え作物はまさに、プランテーション農業の技術である。より大規模に、より機械化して、収奪的に行う農業。経済的な効率だけを主眼にしている農業。①米国(6,400万ヘクタール)、②ブラジル(2,140万ヘクタール)、③アルゼンチン(2,130万ヘクタール)と広がっている。世界では前年度栽培面積の7.0%にあたる900万ヘクタール増加し、1億3,400万ヘクタールとなっている。アメリカのモンサント社がが中心となっている。この企業の主張は「アジアにおいては、持続可能で環境にやさしい方法で食糧生産を拡大する能力が求められています。遺伝子組み換え技術をはじめとするバイオテクノロジーはその重要な手段となります。モンサント・カンパニーでは、遺伝子組み換え技術の可能性を最大限に活用し、社会に貢献できるよう、遺伝子組み換え作物の研究開発のみならず、その安全性の維持・確立、また一般の皆様への情報提供や対話を行いながら、遺伝子組み換え技術のベネフィットを社会全体で共有していくことを目指します。」
この主張に反して、遺伝子組み換え技術は地域に根差した、各地個別の自然に対応した循環農業を破壊してゆく。どの地域においても、同じ農業技術が要求され、遺伝子組み換え種子を利用しなければ、経済的競争性を失い、今までの農業は成立しないことになる。化学肥料ができたことで、化学肥料を使わない農業が、経済的に成立しなくなったこととよく似ている。農業技術の革新は、過去の地域に根差した伝統的農業を崩壊させながら進んでゆく。今行わなくてはならないことは、伝統的な農業にある、永続性のある技術の継続である。遺伝子組み換えの技術は、大きくは二つ展開している。除草剤耐性作物と、害虫抵抗性の作物である。この技術が自然界にどんな影響があるかが、懸念される。害虫に抵抗性のある作物を人間が食べて大丈夫なのか。除草剤の影響を受けにくい、雑草が増えてゆくことは、許容されることなのか。
問題は、食べる人間が遺伝子組み換えを選別し、拒絶できないということである。日本人の大半が普通に食べさせられている、可能性が高い。食用油の中には普通に混入している。混入が厭だからといって、ほとんど不可能な形で、表示もなく食べさせられている。調味料類も可能性が高い。モンサント社から遺伝子組み換え菜の花が勝手に生えてしまったことを理由に訴えられた農家がある。勝手に侵食してきて、無断で利用したと言いがかりをつける手法。特許的独占使用の問題。日本でも、遅れてなるものか、一番でなければならないと、お米について遺伝子組み換え技術が研究されている。薬になる物質を持っているお米。糖尿病の人が食べるお米。こういう研究である。すべてが、経済の問題である。
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