有機農業推進法、事例報告
昨日、平塚のJA神奈川で、あしがら農の会の活動を事例報告させていただいた。ビックリしたのは、参加のメンバー。全県を網羅し、行政や、各JAから参加されていた。私は農家の人達に話すのかな。と漠然と考えており、用意していたので、ビックリしました。有機農業推進法ができたことは、やはり何かが動き出していると言う事のようです。いままで、有機と言う事が出ただけで、変わり者が少数やっている農業。食べてゆけない農業。行政や、JAがかかわるような範囲ではない。こう決まっていた。私たちも極力有機農業と言うことばを使わないで来た。それが、こうしてJA主催で、皆さん勢ぞろいで有機農業の話を聞いていただける。何かあり難さで、感無量だった。出来るだけ正確に、今までの農の会の活動を、説明させていただいた。今までのノウハウで、役に立つことがあれば、全てをお伝えしたかった。
先ず、神奈川県の担当者のO氏から、この法律の細部の説明。全国での進行状態、神奈川県での今後の進める方針。などのお話があった。わかり易い説明で、そう言う事なのか、と気が付く事もたくさんあった。今年度中つまり3月一杯で。、12の県で、有機農業推進計画が出来るそうです。来年度中に策定する都県が、又13都県、20年度以降が13県。そして、未定が9府県でここに神奈川も入っているとの事。ただし、これは神奈川県が後れをとっているというより、手順を民主的に踏んで、きちっと進めようと言う事のようで。大した見識だと思います。先ず来年には、有機農業ワークショップを県が立ち上げ、参加者の一般公募をする。そのうえで、策定委員会を設置する方向になれば、生産者を含めた委員会を作る。そして、推進計画に進む。全くそのとおりだと思いました。
いい加減な、形式案を作るより、実効性のある計画案を手順を踏んで進め。それが途中で、軋轢があり止めになったとしても、成果は出て来るはずだ。ゴミの広域処理案でも感じたのだが、神奈川県には有能な人がいる。問題は何故か、市町村と連携が取れていないことが大きいようだ。有機農業は、それにかかわる生産者の特殊性が大きい。ある意味、有機教の原理主義者と見られる。その消費者にいたっては、さらにこだわりが強い。農業であるにもかかわらず、食べても行けない、休みもない。それでもこの農業を理想とする。やっている原理主義者はいいけど、これを一般化はとても出来ないよ。というのが、行政、JAの感じている所だろう。食べれないけどやるべきだ。という訳には当然いかない。
そこで、どうすれば普通の農家として取り組めるか。ここがポイントだろう。一っ箇所から、取り組むのがいいと思う。お米だ。これは苦労無くできる。一般農家の技術を持ってすれば、問題なく進む。行政ぐるみ、JA単位で取り組んでいる事例も多い。問題は苗の生産にある。苗の有機生産の研究を是非とも、農総研で取り組んでもらいたい。そして、次段階でJAでも有機苗の購入を選択できるように進める。そこまでは既に技術的に解決している地域もある。次は販売だ。神奈川のパールライスに、加えて有機米のブランドを全農が扱う。高く売れるなら、当然やる農家は増える。もう一つの視点は、市民農だ。市民農園を考えると、小さなものと考えるが、日本の自給を高めるにはこれが良い。ロシアで成功している方式だ。自給で売る心配がないなら、有機で作る人は多数派だ。この場合も、苗生産は行政が面倒を見て、技術開発をする。苗が有機でなければ、後が難しくなる。
いよいよスタートが切られた。