廃棄魚網
廃棄された魚網を貰いにいった。真鶴の岩漁協だ。10年前に小田原に養鶏場を作ったときも、魚網を貰った。そのときは石綿さんが、まとめて貰った物を分けてくれた。全国の漁港に絵を描きに歩いたので、漁港で網が廃棄されている状況は、良く知っていた。今は当然な事だけど、燃やす事が出来ない。と成ると素晴しい素材ではあるが、廃棄するには費用がかかると言う、もったいないことになる。先ず、小田原漁協に電話で聞いてみた。時々出ることはあるが、イノシシ除けに頼まれて、最近持っていってもらったところだと言われた。それで、横浜に神奈川県全体の漁協連合のようなものがあるらしいので、そこで聞いてみた。そうした強い網は定置網のものであり、定置網が交換される時に出る。小田原周辺では、小田原、岩、真鶴、と漁協があるので尋ねてみたら可能性はあるとの事だった。
そこで、まずいわ漁協に電話した。以前石綿さんが貰ったのも、岩だったと聞いていた。組合長さんに問い合わせてくれて、もらえることになった。とても親切な対応なので、突然のお願いの電話で、ビクビクしていたのだが、戸惑う事はなかった。しばらく待って出たとき、と思っていたら、明日は駄目だが、明後日ならと言う事だった。岩漁協の所は、障害者のダイビングで、いとこが行くと聞いていたので、あそこだなと位置はわかっていた。早速組合長さんが、案内してくれた。使い道と、目の大きさを聞かれて、たぶん、目が大きいのしかないのだろうと思って、いたのだが、スズメが入れないくらいのものが一番欲しい。厚かましく頼むと、それならこっちだと。ずんずん奥に連れて行ってくれた。港の外れに、埋まるように置いてあった。
道々、言われるには平塚市の職員が、最近トラック3台取りに来たと言うのだ。ごみの集積場でかぶせておく網用だそうだ。ごみを、覆う為にごみになる魚網を使うと言う発想が素晴しい。平塚市はとてもいいごみ関係の行政職員がいる。職員にしてみれば、必要なら注文して買えば責任は果せる。捨てられる魚網に目をつけるところが、すごく良い。私の場合は、主な理由は予算がないからだ。実はあれこれ、防鳥網を調べた。いつも、網を掛けろ網を掛けろと、指導でうるさい家畜保健所にも聞いた。所が、全く使えない、物を紹介された。現場を知らない行政の典型だ。手で引っ張れば破れる強さの網。確かに、安い。行政向けにスズメ対策はしましたといい訳にだけ、利用できる網だ。破れ易い網ほど、後で困るものはない。ゴルフネットは大体25ミリ目だ。丈夫な点はいいのだが、これではスズメは入り込む。
定置網はそれは丈夫だ。伺うと、4トンぐらいの魚を持ち上げるのだから、丈夫で当たり前だと言われた。重さで切れるようになる前に、交換の必要がある。定置網の構造を書いて教えてくれた。袋状になっているのだから、形は複雑そのものだ。入り口は大きな目で誘導する、黄色の200ミリもある目。奥に行くほど、目が小さくなり、最後は10ミリ目。その10ミリ目と、30ミリ目とを貰った。4トンの重さでは切れても、10年使っても、それは丈夫だ。購入すれば大変な価格のものだ。とても私の養鶏業では使えない。でも、産業廃棄物となって、燃やされてもいる。貰いに行く側にしてみると、そうした事情もあるかもしれないが、迷惑をかけそうで、知り合いでもいないと、ちょっと気軽にはお願いが出来ない。でもとても親切な対応で、ありがたく頂く事ができた。
自給作業時間:魚網作業の内自給分1時間 累計時間6.5時間