民主党小沢党首の危険

   

小沢党首が、徐々にその目指す所を発言し始めた。参議院選挙で大勝したことで、持論の展開に自信を深めたのだろう。要注意事項。小沢氏は別段その本音を隠したことはない。しかし、この点は表向き強く発言することもなかった。「国連平和維持軍への自衛隊参加」「政権とればISAF参加」の事だ。これは明らかな日本国憲法違反だ。と言う事になるならば、小沢氏も、安倍氏同様に改憲論を展開しようと言う事か。国連平和維持軍への参加を、アフガニスタンを例に取れば、地上軍に参加することになる。アフガニスタンの現状は明らかに、全土を紛争地域と考えなければならない。紛争地域での軍事的活動に参加することになる。インド洋給油活動以上に、平和憲法の拡大解釈になる。それでいいのか。

これは、小沢氏の得意とする選挙による党内掌握法からしても、民主党衆議院選挙大敗の道になる。民主党は保守政党と中道と更に中道左派と言うぐらいの政党が、集まって出来た。一本党の基本思想のようなものはない。それを作ろうとすると、崩壊してしまう政党だろう。あえて避けてきた部分だろう。しかし、政権をとるなら、それが無ければ始まらないのも、当然の事。参議院選挙での大勝は、あくまで自民党批判であって、民主党支持ではない。民主党の半数以上の議員は、憲法改定を反対している。現選挙制度が、2大政党を前提にした制度で、しかも既成政党有利の制度となっている。自民党が駄目な時に、それを批判する方法としての対立政党支持票になる。農業政策を見れば分かる。民主党の農業政策がどんなものか、その細部は不明なまま、自民党の現農業政策では駄目だと言うだけが、根拠で、民主党が支持された。結論として、自民も民主も駄目と言う事。民主平和勢力が、小沢氏や前原氏を排除できるか。

アフガニスタンに今頃、自衛隊を派遣して、何が解決できると考えるのだろうか。泥沼に軍事力を投入することほど、危険かつ愚かなことはない。アフガニスタンの人々の不幸を増幅することになる。たぶん解決できるのは、軍事力を派遣している国との関係だろう。インド洋での給油をやめて、日本の世界平和への責任は、どのように果すのか。この理屈の展開に窮して出てきた論理だ。そもそも軍事力でテロとの戦いに勝利できると考えていることが、間違った考え方だ。軍事力はテロ勢力を新たに生み出している。外国の武力で抑えられれば、必ず、その力を跳ね返そうと、新たな反発を生む。特に中近東の、イスラム勢力の正義の論理はそこにある。日本のテロの危険は必ず増す事になる。

世界平和を作り出す方法は、軍事力によるものだけではない。犯罪を防ぐには、警察による武力も居る。しかし、福祉や社会基盤の整備、と言う未然に防ぐやり方もある。日本が、世界平和のために、行うべき道は憲法に定められたとおり、平和的手段による方法を積極的に展開すべきだ。今だこれが不足している。憲法が出来て60年、日本はこの憲法に定められた、平和への道を進んだことがない。日本独自の軍事力によらない。平和部隊が必要だ。災害、飢饉、選挙監視、国際赤十字の支持承認で活動する、支援体制が取れるはずだ。これを十二分に行えば、日本の国力の限界まで行えば、日本をテロによる軍事力によって脅かそうなどと言う国はなくなる。その為には100年くらいの平和活動を重ねる必要がある。

 - Peace Cafe