有機農業推進法シンポジューム
ジョイファームでは長谷川功氏。報徳農場では田嶋亨氏。有機農業小田原では石綿敏久氏。あしがら農の会では代表の相原海氏。それぞれに、様々に、この地域の農業の現状を話した。考え方は異なるのだが、このままではこの地域の農業に未来はない。この点では一致していた。しかし、どうも話されている方が、活力に満ちていて、前途洋洋と言う雰囲気なので、むしろ何とかなる。そんな印象を持った。推進法についての成立の過程。これからの展開。ツルネン・マルテイ氏の現実的な観点は、参考になる点が、沢山あった。国会でも全会一致で決まった、珍しい議員立法による法律だそうだ。90%以上の法律が、行政から政府から、提案される。議員が全会一致似なれると言う、珍しい意見の一致する法案。この法では、推進計画を、各県および各市町村が作る。これがうたわれている。それが出来ないと、仏作って、魂いれずと言う事になる。
この地域の農業は、この先大変なことになる。皆さん共通にこういわれている。4ヘクタール以上の認定農家あるいは、20ヘクタール以上の集団営農。こういわれても、あしがら地域では、それ以外の農家は止めて、集団化しろ、と言う事になれば、今の農地の20%ぐらいしか、営農されないことになるだろう。このような結論だった。住宅が混在する。平場の農地が少ない。これでは環境保全型農業どころか、農業の環境調整能力。この観点からも、この地域の環境そのものが、どうなるのか、大変展望が暗い。この有機農業推進法を、上手く利用して、運用して、何とかこの地域の農業が維持される。このことが、見えないか。これが共通の論点だった。
しかし、大変だ。こう言いながら、きわめて元気な皆さんだった。こういう方達がこの地域を支えてきたんだ。そのことを思うと胸が熱くなった。それぞれに、道なき道を切り開き、実に不利条件のなか、全国でも注目される形が、4件も集まった、これがこの地域の可能性だろう。もう一つの可能性が、生業としての農業でなく、都市近郊という地の利を生かした。市民参加型の新しい農業の模索をしよう。ここに活路があるかもしれないという提案だった。特に、傾斜地農業があしがら地域の宿命であり、特徴である。この不利条件が、有利条件になる可能性のが、市民参加の方式にあるだろう。つまり、きわめて風光がいい。この素晴しい自然景観を生かす為には、傾斜地が有利に働くというのだ。ここに、いくらかの行政の手立てがくわわれば、何か可能性が見えてくる。
市民参加の新方式の模索と、有機農業推進法との、関連づけ。この辺りが、今回の成果だった。市民が、家庭菜園レベルで、農作物を作るためには、充分有機農業で行ける。適地適作。販売を考えないなら、有機農業で十分行ける。それなら、放棄が進んでいる、傾斜地を市民参加型の農園の地域指定し、環境保全のための農業地域として、有機農業に限定した、地域保全策を取る事は出来ないだろうか。この法では、国が推進地域として認定する事もできる。そうなれば、それなりの補助が加わり、市民が参加できる、環境整備、基盤整備も可能になるかもしれない。ともかく皆さんが、バイタリティーに満ちている。難しい事でも、可能になるかもしれないという、希望が湧いてきた。今後、連絡役として、あれこれ事務的なことを担いたいと思っている。素晴しい、第1歩に成った。