美しくない日本

   

私はミートホープでしかるべき役職にいました。その名刺を出して、担当者と話をした。出てきたのは指導係長でした。当事者の私が身分を明かして、「ここの肉はおかしい」「話を聞いてくれ」と言っているのに、その係長は「誰が作った肉か分からないので信用できない」と言うのです。ガッカリした私はその足で工場に戻り、今度は会社のシールを張ったひき肉を持って戻った。ところが、今度も門前払いを食わされたのです。ミートホープの肉がおかしいと行政側に告発したのは私が初めてではありません。去年の2月にもミートホープのOBと思われる人が同じ指導係長に情報提供をしている。このときも在庫に関する台帳や原料の表示などの資料を添付しているのに、「今後何かありましたらお願いします」で済まされていた。日刊ゲンダイ

農水省の調査では、何も分からなかっただけと発表された。結局、いつものように誰も責任は取らない形で済まそうと言うのだ。何か問題が起きても、行政は責任が及ばないで、終わるように出来ている。農水の中の誰が問題だったなど、判ろうが分かるまいがいい。農水省と言う役所の責任の取り方だ。農水省に食肉に関する把握の最終責任がある。道庁に伝えようが、出先に伝えようが。あるいは出先から上部に上げられていなかろうが、それら全てをひっくるめて、農水省には国民に対して責任がある。これをなおざりにするから、いつまでたってもおかしなことが、繰り返される。

鳥インフルエンザの茨城の感染において、農水省は不法ワクチンの使用による可能性が大きい。こう発表した。その後「何も分からなかった。」で済ましてしまい。その責任が取られていない。うやむやだ。分かっているのに公表しないのだろうと言う推測がされる。ある農水の関係者も私と同じ推測をしていた。何か農水内部の機構が、グチャグチャナ感じがしてくる。責任を取る体制が出来ていないのだ。不法ワクチンと公表する以上、農水にはその責任が生じたのだ。人を疑ったのだ。疑われたまま終われば、世間の養鶏業に対する見方はどうなる。疑った責任を取らなければならない。あるいは、疑いを解明できなかった責任を、取る必要がある。そうした意識がない。

BSEでも、遺伝子組み換え作物でも、結局は強い物に押し切られる。これが農水省のあり方だ。自分の考えが弱い。食料に対し、国民に対し責任を持っているという、姿勢が足りない。責任を果す仕組みになっていないから、その能力が培われていない。その結果、食料自給率40%になってしまい。その打開の方法が、見当違いを繰り返す。企業や大型農家に農地を集約して、国際競争力のある、農作物を作る。これを何十年と言っている。何故それができないかの方は考えない。それさえ言えば、出来なくても、構わない。それ以上は農水省の役割でないと思っている。もっと力のある所がやることだと思っている。日本の実情に適合しない事は、誰にでも分かることだ。食料と言う日本の根幹にかかわることが、他の生産物以下の扱いなのだ。今回のミートホープ事件は、その意味で氷山の一角だ。偽装ではなく、食料と言う物へのだらしなさ。農水省の姿勢のだらしなさ。日本と言う国の危うさ。もう、家柄が良い位の安倍さんには、任せて置けない。

 - Peace Cafe