続、ソバカス抑草

      2016/08/10

幸いにして、今年は舟原の田んぼは草が少ない。その分桑原の草取りは3日やった。明日は、坊所を予定している。アチコチの田んぼに入って見ると、土にそれぞれ個性があることが分かる。深い浅いもあるし、粘りも違う。感触も違うし、匂いも違う。舟原の田んぼは、どぶ臭い匂いが少ない。腐敗臭が少ない。すき込んだ緑肥が何故腐敗に行かなかったのかが、良く分からない。冬の間、土を良くすることに、専念したのだけれど、土が良くなるというのは、そんなに短期間で出来るはずがない。草を抑える基本は、消化能力の高い土を作り、田植え前後に、腐敗する物、発酵するものを投入する。水と土と緑肥、あるいは米ぬかなど、が混ざり合い、何かが起こる。土が「良い」と(ここがややこしいのだが)腐敗でなく、発酵に進み、生き物が劇的に増加する。

土も短期間にトロトロ層を作り出してゆく。これは、冬季湛水・冬水田んぼで作られる、土と同じ事だろう。難しいのは、土の質の違い。浸透性によって、変わる。水温の違い、舟原は現在入水温が朝19度、昼21度。1ヶ月前は朝昼15度。これが、一段目。2段目、3段目と水温が上がる。3段目は最初から、入水温は20度を越え、昼30度もすぐ越えた。水も上の田を通ってくるから、溶存酸素量が違う。それらの、整理しにくい要素を加えて、「土を良くする」を進める。不耕起田んぼの一年目は草が生えない。3年目辺りから、少し出てくるがやはりまだ少ない。その仕組みには何か、大きなヒントがありそうだが、わからない。耕さないから、土が良くなる。本当だろうか。微生物が増える。本当だろうか。不耕起田のトロトロ層の形成は少ない。

土が良くなれば、草は出ない。こう自然農法研究センターでは考えているが、土が良くなるとは、どんなことなのだろう。いわゆる、「トロトロ」層が形成される土、が良い土。だとすれば、微生物の種も量も豊富で、活性化している土と言う事だろうか。とすれば、長年慣行農法を続けてきた田んぼの土を、良くない土と考えていいだろうか。良い土は良いお米が継続的に取れること。虫や病気が出ない、肥料の投入も入らない。実は今年、長年草の出なかった石綿さんの田んぼでコナギが出た。例年と違うのは、田植え後2週間晴天が続いた。よって水温も高かった。その為にでたと思われる。20年草が無くても、条件がそろえば、草は出るのだと実感した。たいした草ではなかったが、いつもの全くでないと言うのとは、明らかに違った。

抑草技術は土がトロトロ層を形成しやすくすることが基本のようだ。実は、入れる材料は、有機物であれば、大して違いはない。米ぬかでも、おからでも、油粕でもいい。入れる物によって、発酵の流れが違うので、その点は配慮、手順が必要。ソバカスは浮遊する性質を利用して、簡単に均一に散布できる。そのため、適期に繰り返し散布できる。繰り返し必要量撒けるところが利用しやすい。加えて、3日ほど表面を覆って浮遊する。これは初期の地温を下げて田んぼによっては生育に影響が出るだろうが、今の所舟原では生育に問題はない。水入れ1ヶ月の問題だ。その間に、土がトロトロに変われば、草は出ない。田植え後1ヵ月生育が遅れるのは、自然農法では通常の事で、後で充分追いつける。先ず、土が変わるまでの、草が抑えられる技術が重要。次に、土が良くなる為の長期計画が大切。

 - 7月, 抑草法, 稲作, 農法(稲作)