舟原田んぼ一回目の作業
2016/08/10
舟原田んぼの春一回目の作業があった。昨夜来の強い雨が降り続いて、10時ごろにやっと止んだ。田んぼの作業はぬかるむので、種籾の塩水選と浸種の作業をした。種籾は塩水選という作業をする。海水で行うことにしている。小田原漁港から、海水を35リットルのバケツに2杯貰ってきた。鶏の餌の醗酵にも利用しているので、要領は分かっている。秋に刈り取った種籾は茶箱に保存してある。食べるお米も全て籾保存なので、種籾だけが特別という訳ではない。お米は籾保存しておけば、室温で充分鮮度が保てる。夏を越しても味が落ちないのだ。籾から精米まで一貫して出来る機械があるので、食べる時に精米すればいいので同じ事だ。品種はアキニシキだ。もうこの品種を作る人も減ってしまい。何か惜しくて、貴い気もして、止めるに止められなくなってきた。アキニシキを10年以上作ってみて、自然農法に向いたお米のような気がしている。
海水を塩水選に使うのは、お米が目を覚ます時に出会う水は海水がいい、と勝手に思っているからだ。海水は実に総合的なもの、昨日初参加だった大野さんが、羊水のようなものだと言われて、いい事を言われると思った。塩水選は海水どころかその3倍も濃い塩水の比重を利用して、いい籾を選抜して、病気の種籾を除き、強健な苗を作る明治になってできた技術だ。では、こうした選抜がいい事かどうか。自然の体系を考えると、納得できないところがある。自然の行う選抜はいいものだけを選ぶような事は無い。悪い物もいいものも併せて、次の世代に継続してゆく、優秀なものだけを選ぶと言う事は、先々何が起こるか分からない。清濁併せ呑むというか、種籾も色々あっていいのでは無いかと思っている。だから、田んぼの中の良くできた所からだけ選ぶというのも避けたほうがいいと思っている。海水の濃度ぐらいでも浮いてしまう物はどうせ苗にならないから、これは省く。
これから鳩胸状態になるまで、井戸水で浸種を続ける。流し水に近い形で、やりたいと思っている。4月8日が種蒔きなので、その前に鳩胸状態になったら、水から引き上げて、冷蔵庫に入れておく。その上で蒔くのが一番発芽が早く揃う。今回は新月刈りの種籾と、満月刈りの種籾がある。新月プロジェクトのメンバーが2人もいるので、是非実験して欲しいと言う事になった。どちらが発芽がいいか、同じか。実験をしてみようという訳だ。
今年のテーマは、「苗作りを一人一人が行う。」この実験プロジェクトだ。大豆の会では苗作りを、参加者全員のものにした。これはすばらしい発想だった。まだその成果と言ってもささやかな事だけど、これは体験学習というものを、根本的に変えるほどの転換の可能性がある。食べ物を自分のものにしたという感覚が大切だと考えている。米作りも、種籾を各自が自宅で、蒔いて、苗を作る。これが出来て本物に成るような気がする。舟原田んぼでは、ミカン箱2から3箱、を持ち帰って苗を作る。今年は苗代もやる事はやるが、箱苗を全員がやるようにしたい。機械苗の箱では大苗は出来ないので、箱や土の実験も今年の課題の一つだ。セル苗のケースも利用してみたい。田んぼの測量をした。丁度2反5畝だった。坊所より5畝広がった。もう一つ、坊所の田んぼをどうしたらいいかは、課題が残った。これはもうすこし、ぎりぎりまで検討してみたい。