笹鶏の孵化

   

おとといから、笹鶏の孵化が始まった。120個の卵がフランキに入れてあった。一回目の孵化は、純系の赤、白を孵化するので、最も困難。大体農の会を始めたころから、純系の作出を始めたので、年1回の孵化なので、1993年以来の14代目の笹鶏と言う事になる。その前に数年の試行錯誤はあるが、その辺りから意識的に行うようになったと言う事だ。一時、純系の孵化、育雛共に困難になりかかったときがあった。今回の孵化は101羽だ。80%の孵化率だから、いいほうだと思う。特に指曲がりなど起きていない。日本鶏で純系で弱くなると言うのは、特出した形質をのみ重視して選抜する結果であることが示されている。強そうな健康な親鶏を選抜すれば、純系であるから弱いと言う事はない。赤系、白系共に雄鶏を入れ替えて、現在一代交配の種卵を貯めている。今晩フランキに入れることになる。今の調子で行くと、4月中に3回の孵化が終わる事になる。

4月に入ると苗床が始まる。これが大きな試練になる。気持ちがどうしても分散して、事故につながるのだ。それで、つい2回で終わる時も出てくる。今年もどうなるかはその時になってみなければ分からない。田んぼの方が、新しい試みをやるのでなければ、いいのだけれど、直播の方の実験的播種があるので、気持ちの集中が混乱する事になる。そういえば、毎年この間水彩連盟の絵を描く、これは何の問題もない。雛は、コタツ型の育すう施設に入っている。昨夜は一羽も外で寝るヒヨコは居なかった。床が、踏み込み温床になっているので、何処で寝ても暖かいので、つい外で寝てしまうのが居るのだ。それで中央だけ穴を掘り、深く掘り、周囲は堆肥を浅く積んである。すると、今度は中央へ押し合いへし合いになる。そこで中央を小高くする。中でぼた餅の様に寝ているのが一番いい。

昨夜は家畜保健所の人から電話があった。トリインフルエンザで、消毒を強化するというお知らせだった。農水の感染経路調査チームの報告がおとといあった。それによると、今回の感染原因は野鳥の直接の感染ではないとしている。一次的な感染が、渡り鳥であるというのが、周辺に渡り鳥が見受けられるという程度からの推測だから、確定しない方がいい。4つの養鶏場とも、鳥の侵入は考えにくい事、また養鶏場の入り口から感染が広がっているのでない事。そこで、ネズミやゴキブリのようなものが、2次的に感染を広げたとするのが、妥当と言う事のようだ。今回も養鶏場や処理班の人の血液検査はすでにしているのだろうか。どんな結果が出ているのか知りたいものだ。

ネズミやゴキブリが、原因だとすると、周囲を消毒すると言う事が、殆ど意味がないという事だ。農水がそれをあたかも消毒すれば、防げるよう発表しているのはおかしい。農水の本音は「打つ手なし」これが現実だろう。今までは、ウインドレスなら防げるごとき、見解を出していた。ところが、ウインドレスばかりで起きる。最大の防御法は鶏を健康に飼育する事だ。人のインフルエンザでも、誰もが感染するわけではない。お年寄りや、子供が中心だ。健康であれば、同じ条件でも感染しない。あれこれ消毒をする。狭いところに閉じ込める。そうして鶏が弱る。そこにトリインフルエンザのウイルスが来る、簡単に感染が起きる。だから、消毒などより、やるべきことは鶏を健康に飼う事に尽きる。それのほうが、明らかに感染の可能性は下がる。元凶となっている、動物虐待のような飼育法をやめてもらうことが、先決だ。

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