ビジョン21と安田節子さん
一月ほど前、食政策センター・ビジョン21の皆さんが尋ねてくださった。鳥インフルエンザの事を取り上げてくれてから、この活動を注目をしてきた。遺伝子組み換え作物についての、正確な判断は注目できる。安田さんの遺伝子組み換えでの講演は、それは練り上げられていて、すばらしいものだ。来ていただくなど恐れ多い事だったが、鶏の事を聞いてもらえればと思った。昨日送っていただいた「いのちの講座」に来てくださった時の事を、取り上げてくれていた。
今回紙面は大変重要な事が、いくつも載っている。指摘の正しさに注目し、学んで行かなくては成らない。中でも巻頭言の「農家の自家採種が犯罪になる日」これには驚いた。日本の農水省が農家の利益と言う基本的なことを忘れている事が良くわかる。種苗会社の利益を優先したいと言う事だろう。しかもこの種苗会社は日本ではなくアメリカの会社の事だ。モンサント社のことだ。安倍総理、本当にしっかりしてください。
そもそも、植物に特許と言う制度が適合するかが先ず問題だろう。しかも、特許と言うからには、種病会社が新しく作出した新品種を特許にする、在来種を作っているから、私らのような者には関係ないと思ったら、大違い。世界中のあらゆる種子を掘り起こし、勝手に特許申請している、しかもアメリカはそれを世界戦略としてやっているから、他所の国の在来種であれ、どんどん認めてしまう。すでに11000種を越えたそうだ。
モンサント社の手先が来るなら、日本政府がいくらなんでも守ってくれるから、大丈夫と思いきや、今度は農水省の岡っ引き、品種保護Gメンが来るそうだ。お宅の大根は自家採種だから、頂きます。くれないなら、賠償金になります。こう言う事がカナダではすでに起きて、最高裁でモンサント社が勝ったのだ。
私はそもそも知的所有権と言うものを、認めない。笹村出が創作したものは何処でも誰でも一切使ってかまわない、と言う考えだ。それが当たり前だと私は考えている。私の絵柄が、どこかのお菓子屋さんの包み紙になっていれば、嬉しいと思うだけだ。私の作出した、笹鶏を飼育する人が増えれば、ありがたいことだ。文章も利用してくれれば、すばらしいと思う。知的所有権、作った人の権利とかいう思想は、資本主義社会の狭い考えだ。絵で言えば商業絵画時代を表わしている。描きたくて描いたものをお金にしようとか言う卑しさが嫌いだ。
いのちの講座には、重い記事が多いい。「自然農法のりんご」森野栄一氏の文章がすごい。青森の木村秋則氏自然農法のりんごがすごい、そのすごいりんごが高価なのは当然だが、我々には無縁で、金持ちがその信じがたいりんごを味わっていると言う話。これはいつも悩むところ。我が家の卵は1個55円。高いか安いか。3倍ぐらいはする。これでも随分安く売っている。本当を言えば230円で売らないとならない。そうしないと継続は出来ないし、新しく始める人が現れない。しかし、金持ちの為に作る気にはなれない。そこで、55円なら、何とか買ってもらえる価格だと考えて決めた。
有機農業推進法の問題点の指摘。日豪貿易協定の問題、これの奥にある日本の農産物の未来。ともかく内容がすごい。一読をおすすめする。