水彩人講習会
バラの花を80本買った。おまけにもう少しくれたから、90本ぐらいあるだろう。小野月世さんに水彩画を描いてもらうためだ。15・16日と都美術館で、水彩人の講習会を行う。50名ぐらいの人が参加する。いつもは大勢で、写生の講習会を行う事が多いのだが今回は、静物画の研究をする。
都美術館には、アトリエがある。割合とちゃんとしたアトリエが、4つある。ここを3つ借してもらい。絵を描いてもらう。水彩人のメンバーが、夫々分担して、モチーフを持ち寄るのだが、私の担当が、バラの花を持ってゆくことだった。バラの花は、稲毛さんというバラ園を経営する方から、いつもくず米を頂いているので、今回の事をお願いした。
黄色い花がいいと思って、お願いしておいたのですが。その辺は伝わらずに、様々な色がある。揃わなかったのか、色々在った方が綺麗だと思ったのかは分からないが、ちょっと描きにくいかもしれない。葉っぱが少ない事、軸が短い事、この辺も少し困ったが、今更しょうがない事だ。何度も電話で言ったのだが、どう言う事か。
二人の講師になるのだが、もう一人が、川村良紀さんだ。二人とも水彩画で、最も活躍されている方々なので、定員はあっという間に埋まってしまった。その後も、電話で入れて欲しいという方が何人もあっつた。水彩人の会場でのみ受付けたので、そこに来なかった者は仕方が無い。
今回の企画は、二人の人にそれぞれ、制作をしてもらう。そしてその制作途中に、何故、今そこをそう描くのかを、根掘り葉掘り聞いてゆこう、というものだ。だから、描くものは、答えながらで、大変であろうかと思うが、案外に製作中に、声がかかったからと言って問題が無い人が多い。
描いて居る時は、大体は作業で、結論が出ているから、描いている。集中しなければならない線を引くと言う事もあるでしょうが、合間合間に声がかかても大丈夫と本人も言っている。私も、その点は全く大丈夫だ。小野さんと、川村さんが、その制作を公開し、疑問に答えながら進めてくれるという機会は、多分これが初めてで、今後も無いと思う。
私は、二人に質問をしてゆく係りだ。責任は重大。みんなが聞きたいところを、あるいは知らないとならないところを上手く、掘り出してゆく。これが、技術的な、あるいは、絵を描く要領のようなくだらない事に向かわないよう。本質的なところにどう向けてゆくか。どの一筆も、作家としての意味がある。それが絵作りでなく、その精神にどう関わっているのかを、探りたいと思っている。制作者自信が無意識で、行っている作業を解きほぐす役割だと思っている。
おおよそは感性で描いている。感性というものが、その人間のこころのどの部分にかかわり、その人の思想をどう表現してゆくのか、この辺の過程を、一部でも感じられるような、講習会にしたいと思っている。私が企画した以上、責任を持っていい講習会にするつもりだ。