国際緊急援助隊

   

アジアで大きな災害が続いている。ジャワ島中部地震では、日本は今まで以上に災害支援に、頑張っているようだ。大変ありがたいことだ。資金援助が、立ち上がりで、10億円を越えてアメリカや中国の、5倍にもなっている。人的な支援も、国際緊急援助隊の出動に加え、自衛隊も行く。

スマトラ沖地震のときは、日本も今回以上に援助をしたのだが、世界各国の支援に比べると、特出したという事はなく、残念だった。

2003年「国際協力機構(JICA)」が発足し、政府開発援助(ODA)の実施機関として位置づけられた。政府が開発途上国に行う資金や技術の協力を政府開発援助をODAという。この機関の中に「国際緊急援助隊」がある仕組みだ。
支援物資の倉庫は世界に4箇所設置して、迅速に対応できるようになっている。
国際緊急援助隊の出動記録を見ると、月に1回以上は出掛けていっている。地域は勿論世界に及んでいるが、やはりアジアへの出動が中心になっている。

私は日本という国家の安全保障は、憲法で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と決まっている以上、この災害支援を中心に考えるべきだと思っている。いっぺんに自衛隊の廃止と言っても、不安が大きいだろうから、目標を決めて、徐々に緊急援助隊に自衛隊を移管してゆく。

今回も自衛隊の派遣に対しては、インドネシアからの要請という、大前提が必要だ。これは混乱している災害の起きた当事国としては、判断の難しい面がある。災害支援として出動した軍隊が、その国を占領してしまうかもしれない恐れだ。

日本の平和主義が、世界各国に理解されることで、緊急対応にも敏速に動けるようになるはずだ。私は自衛隊も廃止して、この国際緊急援助隊1本にしたらいいと思うぐらいだ。これが、今すぐ国民に理解されないとしても、方向としては、日本の安全保障にはこのほうが、はるかに有効だと考える。

現在アメリカとの同盟が、日本の安全保障の基本的な考えだ。しかし、アメリカの行動が、今回のイラクのように、国際的に支持されず、必ずしも日本の国益にそぐわない事も出てくるだろう。それでも自衛隊派兵を行わざるえないのが、アメリカとの同盟だ。

アメリカの要請で、自衛隊が誕生し、増強の一途をたどっている。米軍基地の再編では、アメリカの司令部まで、日本に移動する。そこまでアメリカに依存していいのだろうか。ブッシュ政権の動向を見ていると、日本の安全保障を、アメリカに全面的に依存している状態が、アメリカともども、地獄に落ちてゆく可能性も、無いとはいえ無い、不安定な状況に見えるのだが。

国際緊急援助隊を、自衛隊に変わるほどに増強し、世界のあらゆる災害に対し、全力を持って支援してゆく。このことで、日本という国の平和主義の姿を、世界に示してゆく。日本を感謝しない国はない。こんな状態が作り出せれば、日本の安全保障は格段に高まるはずだ。アメリカの自衛隊の出動要請があっても、自衛隊が無いのだから、緊急援助隊の参加という範囲で協力してゆく事になる。勿論安全保障に不安はつき物だ、完全という事は無い。しかし、今の中途半端な、自衛隊による安全よりは、ましな物が可能なはずだ。

例えば、北朝鮮に災害が起きたとして、今の日本では支援に向かう事もできないだろう。日本が軍事力を持たない国であれば、受け入れてくれることになるかもしれない。こうして、互いに心を開くきっかけを作る事ができるのではないだろうか。

今回のジャワ島の地震では、すばやい、しかも手厚い対応です。出かけてゆかれ、頑張っておられる隊員の皆さんに、国民の一人として、深く感謝しています。

 - Peace Cafe