小田原市市民活動応援補助金

   

市民活動応援補助金の報告会があった。昨年度いただいた、17団体と、それを審査された委員の方。加えて若干の来年度申請予定の団体の人達。準備されている、行政の方も加えると、50人は越える人が集まっていた。

各グループ10分間の報告を行う。あしがら農の会はこの制度が出来た初年度30万円、2年目に20万円と頂いた。頂いて以来、私達の活動が税金を頂いて、活動を行うのに相応しい団体であるのか。考えながらの活動であった。日頃税の使い方には、疑問を感じてきただけに、貰っていいものかどうか、申請するに当たって考えた。

私達が新規就農者として、この地域で活動しているのは、当然のことながら自分の生活である。これに補助を貰うような性格はない。頂くとすれば、市民が農業に係るにあたっての、支援をする。と言う部分が大きいと考えている。むしろ、助けられてながら、やっとここまで来た新規就農者が、人様のお役に立つ側に立てるのかということだと考えた。

3年前、小田原市の耕作放棄地は250ヘクタールと言う事だった。それが、今年の資料では、320ヘクタールとなった。毎年10%も増えているという、雪崩現象と言っていいのだろう。私達の、遊休農地を活用すると言う活動も、この流れを食い止めるに何の役にも立っていない。と言う事が明らかだ。雪崩を食い止めることはまず出来ない。今から15年前この事態を予想し、打つべき手立てを提案した。もしあの頃少しでも耳を傾けてくれれば、違ったと思う。まだ、農業者の中に担い手も沢山いた。あの頃60代だった中心メンバーが、今リタイヤせざる得なくなっている。

私達は全体では、15ヘクタールは利用しているが、毎年放棄されてゆく農地の量より少ない。私達にできる事は、この放棄農地の利用法の提案にすぎない。直接私達が、やると言うなら、足柄平野全域では、1000ヘクタールはあるのだから、1000人でやらなければ成らない。当然の事ながら、放棄されてゆく農地はどちらかと言えば、車が入らないとか。傾斜がきついとか。日当たりが悪い。ぬかるんで機械が入らない。こんな悪条件のところが多いい。

こうした所を、企業的農業が利用するはずがない。こういう農地は、そこに住む人が、小さく、こまめに作る以外、方法がない。里山の管理が出来なくなり、里山が荒れているという話を良く聞くが、同じ事で農的に暮らす人がいなくなっていると言う事だ。地域でも優良農家、優秀な人材は居られます。すばらしい農業を展開しています。しかしそういう人も、手を出さないような農地が、放棄されています。

しかし、観点を変えてみると、すばらしい場所なのです。眺めがいい。人が住んでいない。静か。市民が、ロシアのように、自給菜園を展開するには絶好の場所なのです。これも、各個の農家が、個別にやるような発想では、さらにあれるだけです。景観を壊してしまうと思います。市主催の貸し農園は見ていて辛いぐらい、乱雑です。粗大ごみから持って来た、ロッカーが置いてあったり、狭くネットで区切ったり、あれでは農業の楽しさの半分ぐらいしか味わえません。

補助金を頂く事で、農の会の仲間の意識が、少しでも変化してくれれば、一番の収穫です。私達の活動を市民が応援してくれている。このことが、少しづつ意識変化につながる事が期待されます。新規就農者はどちらかと言えば、一人でやっているんだ、と考えがちです。実際は、周囲の方のお陰でやっと自立できると言うところです。周りの方の、見えない支援がなければ、地域で新しく農家を立ち上げる事など、不可能です。地域の方の中には、遠慮がちに遠巻きに、助けてくれる方がいます。そうした事が、補助金と言う形で、明確に成リ、意識変化に繋がるところもでてきてほしいと思っています。

私達は実に楽しく愉快に暮らさせてもらっています。希望や夢を山ほど持っています。これが人に伝わり、新たにこの地を訪れる人が出てきたとき、私達の存在が、役立つ時が来ると思います。又そうした事にならなければ、応援補助金を申請した、私達の拠って立つところが、おかしなことになります。

 - Peace Cafe