有機農業市民講座の提案

   

有機農業による、市民講座の提案

昨日市民講座設立に関して、農の会の関係者5名で話し合いを持った。有機農業を始めようとする者に、有機農業を一通り体験してもらう事が必要という事では一致した。ただ、これを行うにはよほどの労力が必要であるという認識と、それを誰が担えるのかという事が課題として残った。有機農業市民講座は有機の里協議会の事業として行う事になる。その具体的な担当があしがら農の会という位置づけである。ただそれだけでは主体があいまいになるという意見があった。運営主体の別組織が必要なのではないかという事だが、これは補助金関係で少し難しいところがあるだろう。いずれにしても、有機の里協議会で話し合いを持つ必要があるようだ。具体的な作業については、話し合うほどにやってみなければ見えてこない感じが深まった。私は畑の会を広げた程度と考えている。週1回3時間の作業を2人が行う程度と考えている。機械のこと、道具のこと、資材のこと、種苗のこと、なかなか複雑なことになるだろうから、まず1年半を試行期間として行ってみるのが現実的ではないだろうか。

有機農業は技術的難しいものである。化学肥料と農薬を使わないという事になるだけで、公的機関の指導はないというのが現状である。しかし、市民が自給的農業を考えた時には、有機農業でやってみたいという人の方が多数派なのかもしれない。問題はその技術指導がないという点にある。個人で試みて失敗してあきらめる人も多いいかもしれない。あしがら農の会では、有機農業での市民農園を提案したいと考えている。その理由は小田原の農業の可能性は市民との距離が近いというところにある。都市近郊の農業の利点を生かす必要がある。消費者が身近に存在する。農業者の側では後継者不足が始まり、農地の遊休化が始まっている。小田原の農業の可能性は市民参加型の農地利用を考えてゆくことだと思われる。市民は農産物を身近で作ることができる。農業者は農地の管理者として、又技術指導者としての営農の新たな方向が見つかるかもしれない。

明治大学の黒川農場では有機農業による市民公開講座が開かれている。実に合理的な仕組みで有機農業が学べる仕組みが出来ている。機械を利用したり、まとめて準備をするところは、大学の作業員が行う。そして日常管理や収穫を参加者が自由に行う事が出来る。黒川農園では市民を募集し、明治大学の市民講座として有機農業の市民農園が行われている。畑を縦横に考えている。たとえば、横一列にジャガイモ、タマネギ、長ネギ、小豆、小麦と作る。(黒川農場では果菜類や青物)それを縦2メートル幅で個人の持ち分の畑となる。横一列が5メートル幅であれば、幅1メートルで、長さ25メートルが一人分の畑という事になる。農場の作業員が、トラックター作業や堆肥の投入などは、横一列の作業を一遍に行う。そして、参加者一人一人が、幅1メートルで草取りや、手入れ、収穫などを行う。

あしがら農の会には畑の会という活動がある。保存可能な野菜を協働で作る自給農業の協働の畑。ジャガイモ、タマネギ、長ネギ、小豆、小麦、などを同じ畑で協働で作ることで省力化を図ることができる。この活動は、明治大学の黒川農場のやり方からヒントを得て始めた。これから計画する有機の市民農園の活動には大変参考になるもの。機械で一度にできる大きな作業は、農家の方が行い一定の収入を得ることができる。市民は楽に合理的な作業を学ぶことができる上に、他の参加者と学び合う事で技術向上が図れる。他の人と比較しながら、より良くできる農法を身に着けることができる。加えて有機野菜を自給できることになる。小田原には農業に関心のあるたくさんの消費者がいる。それは小田原タマネギオーナー園の活動でもわかる。この黒川農場方式を小田原方式として取り入れれば、耕作放棄地の有効利用になる。その上に、農家の新しい仕事の創出にもなる。小田原の魅力を演出することにも繋がってゆく。

月1回の活動日を設ける。日曜日とする。基本を第2日曜として、変更がある場合は前月に連絡をする。まず、9時にフラワーガーデンに集まる。午前中を中心に講義を行う。毎月誰かを講師としてお願いする。有機の里づくり協議会の農業者にお願いする。それから畑に移動し作業を行う。現場の指導には農の会の2名が当たる。畑の準備は事前に行っておく。月一回の作業でその月の作業ができるようにする。当然日常管理はすべて参加者が行う。毎月の作業日には、必ず収穫物があり新しい作業が行われるようにする。日常の草取り作業などは参加者が来れる日に自主的に行う。一年半の作業に合格した者には、あしがら農の会で農地の斡旋をし、新規就農の道にも協力する。市民農園ではあるが、有機農業の研修農場にもなる。

 - あしがら農の会