スーダン戦闘地域への日本軍の派兵

   

南スーダンへの国連平和維持活動へ、派兵した日本軍の日報の記載事項が問題になっている。昨年の7月頃、スーダンの首都でPKO活動を行っていた自衛隊の日報に、戦闘行為があると記録されていた。政府はジュバは平穏で危険はないと説明を繰り返していた。嘘だったことになる。9月に日報を開示するようにジャーナリストの布施悠仁さんが希望したところ、12月2日になって、すでに破棄してしまったので、開示しようがないとされた。嘘の上塗りである。河野太郎氏がそ再度調べるように要求したところ、今年の1月にになって、廃棄されていないで見つかったという事になったらしい。その結果日報の記載を隠し通せなくなる。それが防衛大臣に報告されたのが、さらに遅れて1月27日になってという事である。そして、2月7日になって公表された、黒塗りの日報には、スーダンの首都でジュバで戦闘があったと記載されていた。つまり、現地のPKO部隊は引きあげなければならない事態だったのだ。国連の報告にもそうあるのだから当然である。中国兵は2名戦死している。

稲田防衛大臣は国会答弁において、日報にある戦闘行為を認めない。PKO派遣条件の5原則に、戦闘行為のある地域には派遣しないと決めてあるからだ。つまり、今政府がしどろもどろで、黒を白と答弁を繰り返しているのは、戦時中の軍隊とまるで同じ態度である。大本営発表では、戦闘は戦争に当たりません。戦争行為を事変などと言い換えを行い、敗北し逃げることを転戦。そして今でも敗戦を終戦と言い続けている。大本営発表は言葉のごまかしを続けてきた。現在の世界情勢に関して、これほどごまかしを続けるのであれば、今後派遣される条件も、その時の都合で言葉を変え誤魔化すことだろう。極めて危険である。国民に本当のことを伝えないで、軍隊が海外で勝手なことをやる。そして、ついに日本が戦争に巻き込まれる。判断するのは国民である。判断のためにはすべて真実を伝えるのは、当たり前のことだ。

国連報告や関係者によると、国連宿営地内の182の建物が銃弾やロケット弾を受け、中国部隊の隊員2人が死亡。宿営地内にいた避難民も含め、戦闘では計数百人が死亡した。国連施設付近では大破した政府軍の戦車が放置され、迫撃砲弾吹き飛んだ家屋もあった。施設近くのホテルでは、国際NGOの職員が政府軍兵士に集団でレイプされる事件も起きた。

海外に日本の軍隊を派兵するという事は、常に戦闘に巻き込まれるリスクの中にある。それを言葉のあやで誤魔化している姿勢は極めて危険である。また日本の軍隊自体が全く統制が取れていないことがよく分かった。日報すら破棄したなどというごまかしで通そうとする体質がある。しかもそれが何か月もたって発見されたにもかかわらず、総理大臣にも1か月も報告がされない。軍隊内部に、大臣など関係ないという空気があるのだろう。文民統制など適当なものだ。現場主義が相変らず横行している。文科省が天下りの裏組織を作っていたぐらいならまだ罪は軽い。軍隊が海外で勝手に相当を始めてしまえばもう取返しがつかない。どうせ素人にわかりやしない。素人は戦闘という言葉だけで、判断を誤るだろう。そして、PKOの派遣が出来なくなる。これだけのことだ。

やはり憲法は大切なものだ。世界は分断が起き、すでに第3次世界大戦は始まっている。この戦争に乗り出していっているのが日本出身の大企業だ。その大企業の後押しをしようというのが、自衛隊という名の日本軍だ。憲法に従い、日本はあくまで平和外交で押し通すべきだ。第2次世界大戦に巻き込まれなかった国だってあった。日本国憲法が、今や世界の平和の希望である。世界が自国の利益だけに翻弄されることになる。ますます、戦争は過激になるだろう。この世界の非常事態も必ず次の地平に抜け出ると信じる。人間は競争主義を克服できると信じる。その理想を掲げた日本国憲法こそ世界平和への道だ。経済競争でどれほど不利益が生じるとしても、戦争に巻き込まれるより、よほど正しい方角に違いない。

 

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