ビル・ゲイツ氏が鶏を飼う

   

ビル・ゲイツ氏は、発展途上国の貧困世帯を支援するためニワトリ10万羽を寄付すると発表した。ゲイツ氏は、サハラ砂漠以南に位置するアフリカ諸国の農村部で、養鶏の実施率を現在の5%から30%に引き上げることを目標にしているらしい。鶏を飼う事で貧困を克服できると考えている。世界には貧困が広がっている。日本にも貧困が広がり始めた。日本が先進国の中でも際立って貧困が深刻な状況になっている。どのデーターを調べても貧困は相当に深刻な状態という事になっている。にもかかわらず、社会がそのことを受け止めていない日本。日本の貧困問題はアフリカより複雑かつ困難。日本で自給生活の支えとして、鶏を飼ってきた。鶏は日本では無理だという思いが交錯する。日本で貧困生活をしている人の大半は鶏を飼える環境にいないだろう。それでも、日本でも地方の過疎地域ならば、鶏を飼うのは貧困生活が可能になり始めているかもしれない。自給生活の環境は整ってきた。

自給生活に鶏が必携というのは、当たり前のことだ。これほど自給生活に役立ってくれる生き物はないだろうと思う。ビル・ゲイツ氏が目をつけてくれたというのは、さすがの視点である。自分で増やせるという事を重視している。たぶん放し飼いをするのだろう。アフリカの村で鶏が走り回っている映像を見ることがある。放し飼いが出来るならば、餌などごく少量で済む。日本で鶏を飼うなら、移動式の小屋が良いだろう。獣害が一番怖いことだ。日本で放し飼いをすれば、忽ち食べられてしまう。その前に鶏を飼う暮らしを集落で認めてもらわなくてはならない。必ず、声がうるさい、悪臭がする。こういうことになる。だから私は防音小屋を作った。これを書いている今は早朝であるが、少しも鶏の声は聞こえない。7時に成ったら餌をやり、小屋を開けてやる。夜鶏が眠るところは、狭くて、真っ暗でかまわない。昼間外に出て遊べるようにしておけば、鶏に悪い環境ではない。

餌は家で出る生ごみを中心にすれば良い。発酵させることだ。段ボールコンポストでも可能だ。2箱作り交互にえさにすればいい。餌づくりと生ごみ処理を兼ねれば、最高の餌になる。人間が食べるものなら、何でも餌になる。自分の家で出る生ごみだけでは、たぶん足りないだろう。近所の生ごみまで貰えるならそれもいい。騒音の苦情も出にくくなる。あとは草である。草をどんどん与える。自給生活であれば、草だけはふんだんにあるだろう。山道の落ち葉など掃除を兼ねて集めて、小屋の床に入れてやる。そうすれば病気が出なくなる。そして、虫を食べさせる。コンポストを遊び場の地面に撒いて、むしろをかけておく。虫が湧けば最高の餌になる。米ぬかや、ふすま、魚のあらなど、貰えるところを探しておくとさらにいい。コイン精米所の掃除をしてあげれば、米ぬかをくれるかもしれない。

鶏が居れば、卵を産んでくれる。抵抗はあるだろうが、鶏肉も食べることができる。野菜やお米は一日1時間働けば自給できる。食べ物があれば、あとは何とかなるはずだ。つまり、日本でも中山間地であれば200円生活は不可能ではない。その条件の整い始めた地域は年々広がっている。そして、200円の自給生活ができるとわかっていても、それならやろうというような競争相手はまずいない。競争のストレスがないだけでもありがたい。都会で生活苦でブラック生活をするとしても、山の中よりもましだと考える人ばかりだろう。自給の覚悟さえすれば山の中こそ、素晴らしい。みんなが観光に出かけるような美しい場所だ。都会暮らしよりはるかに人間らしい生活をおくれるはずだ。何より、自分の生きるという事に真剣に向き合うことになる。鶏がいてくれれば、共に気持ち通じ合って暮らせる。そしてそれを食べるしかないかというような、気持ちで暮らすことになる。自分の命と向き合う生き方が、自給生活なのだろう。

 

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