小田原市民ホールの入札不調
小田原の市民ホールが入札不調になった。20億を超える建設予算の不足が起きているのだそうだ。予想通りで驚くようなことではない。前小沢市長が交代したのは、この市民ホールのでたらめ設計による。何しろ、前ホール設計では絵画ギャラリーが併設されていて、そのギャラリーが局面壁設計というものだった。どうやって曲面の壁に絵を飾るのかと設計者に質問したら、地下にある倉庫からエレベーターで壁を移動してくるというのだ。年寄りには絶対にできない。たとえ移動出来たとしても、局面に並べるのだから、壁は直線にはならない。過去こういうギャラリーはどこかにあるのか設計者に聞いてみたが、ほかに類似のギャラリーはないということだった。あの頃、20万都市で、ギャラーリーのない町は日本中であるか調べたら、小田原だけだった。すると小田原にもギャラリーは今もあるというのだ。どこにあるのかと聞いたところ、市民会館の2階だという。私にはあれは集会施設にたまたま絵を飾っているに過ぎないものだと思えた。ギャラリーにはふさわしい照明が必要だ。出来れば外光である。
市民ホールの発想で一番間違っているのは、駐車場がないことだ。駐車場のないホールで集会があれば、近隣の駐車場に止めてから行くことにならざる得ない。農協の総会の時に市民会会館に行くのに駐車場探しで大変だった。ホールが予定されている場所は、小田原で最も重要な場所である。小田原城の正面玄関である。街づくりを考えた時にあそこに市民ホールを作る発想は、街壊しにならざる得ない。たまたまあそこに市民会館があったのだから、その公有地を生かして、市街地の活性化のための施設を作るべきだ。市民にとっても、観光で小田原に来る人にとっても、憩える場所を作らなければだめだ。正面に大きな小田原城址公園がある。公園と連動して楽しめる施設を作らなければ良くならない。小田原は宿場町であり、職人の優れた歴史のある街だ。それをうまく取り入れた街づくり。商店だけではなく、体験型の施設の併設だろう。
人口減少はこれから深刻化してゆく。大きなホールは2市8町に1つでいい。西湘地区に1つあれば十分である。秦野のホールや南足柄のホールまで音楽会で出かけたことがあるが、車で行くのだから今の市民会館より気安くゆける。2市八町の共同運営でやれば十分である。場所は南足柄からも利用しやすい、栢山の運動公園付近で、駐車場は共用にすればいい。鬼柳の工業団地も候補地としていい。大ギャラリーについていえば、海の見える丘の上だ。一夜城のあたりだろうか。街中にあるギャラリーは、画廊的な小さな展示スペースで十分である。現在、展示スペースとして利用されている、街かど博物館や、文学館、清閑邸、松永記念館のようなところに照明を完全にして併設する。いずれにしても様々な構想をみんなで話し合うことだ。火葬場の増築だか、新設問題でも地域に十分の説明をしたと市長ブログに書いてあり驚いた。隣の舟原の自治会長であった私が全く説明を聞いたことがない。残念ながら市民参加どころでなくなっている。
久野地域でも農業振興地域ということになっているが、それにふさわしい活動として、何か行政として取り組んでいるのだろうか。市が大きな農業振興の構想を立てているとは聞いたことがない。市民全体で、小田原市の方向を定めるようなことが再度必要である。加藤市長に変わったころ、行政もそうした取り組みを意欲的に行った。しかし、その成果はどこに消えたのだろう。オリンピックでは2つの白紙撤回が行われたが、小田原市民ホールも白紙撤回が一番である。小沢市長はこの問題で確か18億円を無駄にした。加藤市長は6億円を無駄にしているそうである。いずれの市長も、市民会館のある場所に市民ホールを作ろうとこだわるところが間違っている。