ドローン事件
ドローンを首相官邸に飛ばしたのは、小浜の原発反対の行動だったという。最初この事件が起きた時には、昨夜飛ばされたドローンが発見されたような説明だった。所が、4月9日に飛ばされて、発見されたのが22日だったらしいとのこと。随分屋根の上に放置されていたものだ。逮捕の理由が威力業務妨害容疑というから、意味が良く分からない。誰のどんな業務を妨害したのだろうか。住んでいる当人の安倍氏の業務が影響された訳ではなさそうだ。屋根掃除を忘れていた人が業務を邪魔されたという事か。警備の人の業務が邪魔されたというなら、警備の人は10日間気ずかずに何をしていたのだろうということになる。官邸の警備のずさんさを世間にさらしてくれて、良い演習になった結果だ。ドローンを飛ばして、隣の英国大使館に侵入したテレビ会社の方は、逮捕しない。こっちの方は治外法権の大使館に侵入したのだから罪が重そうだが、どうもおとがめなしである。
どちらも自ら名乗り出たのだ。同じ罪でなければならない。イギリス大使館の方ではそんな面倒な主張はしていないようだ。官邸の方が秘密が多いいという事か。アメリカが飛ばしたドローンだったらどういう事になったのか。アメリカのホワイトハウスでは、ドローの侵入があった。あれは罪になったのだろうか。ドローにセシュームと聞いて、先ずは福島の土だろうと思った。やっぱりそうだった。官邸は放射能という危険なものを落としたとも言えず、人体に害のないレベルだと説明していた皮肉。ただの砂だったら何かの罪になるのだろうかという、法のすきを突いた作戦ではないか。これはどう考えても犯罪が成立しないだろう。官邸と、大使館と、お隣の家と、法律的に何かが違うのかと言えば、大使館が一番厄介なはずで、後は同じことである。慌てて法律整備と言いだしたが、あのアマゾンのドローン宅配を奨励していたのは、どこの誰だったか思い出してみて欲しい。政府がまるでドローンを成長戦略のように言っていたのを思い出す。
政府もマスコミも、このドローン事件を上手く闇に片付けたかのようだ。ドローン事件をもっと評価すべきだ。この主張方法を評価したい。ドローンを官邸に飛ばしたのは犯罪ではない。何が、威力業務妨害になっているのか分からない。ドローンは間違いなく反政府活動である。しかし、平和的な行為の範囲である。いったいどこの誰にどれほどの迷惑をかけたというとこを証明してもらいたい。報道がこの問題を深く掘り下げない姿勢は、翼賛的傾向を表しているのか、問題意識が欠落しているの野か。記者の能力が低下したのか。飛ばして迷惑をかけたと言えば、東京電力である。我が家にも放射能をまきちらした。官邸に落とされた放射能と同様の危険物であり、お茶生産の業務妨害を受けた。差別行為ではないか。ドローンを飛ばした、反原発主義者を犯罪者というのであれば、東電の方ははるかに重罪ではないか。同時に、この危険な原発を再稼働するという、安倍氏も未来の被害者から危険物準備罪を問われてしかるべき存在である。
残念な事に、反原発運動の関係者からのドローン事件の評価が少ないことだ。東京新聞すらはっきりしない。ドローンを飛ばした山本氏は元航空自衛官だそうだ。すぐに止めたらしい。当然の事だろう。その後大手の機械メーカの社員だったようだ。原発事故に衝撃を受けて退職したと言う。反原発デモにも参加していたらしいが、その後デモの参加は止めて、漫画を書いて投降したと言う。この漫画の内容は、政府がハローワークで、老人を抹殺する仕事を募集するというものらしい。若者の仕事が増えて、税金の節約が出来るという政府の意図を皮肉っているもの。60年代、70年代までなら、大いに評価されるものではないか。世間の反応の中に、翼賛報道の背景なのか、結果なのか、嫌な姿が映し出されている。いよいよこの国はダメだという気がしてくる。やはり不二着地点以外ない。