12月の自給作業

   

上の畑の菜の花 中盤全紙 上の畑では何故か、採らない普段草の花が満開になる。これが寒さの景色にとても鮮やかで、惹かれるものがある。

年の瀬である。2014年も終わろうとしている。残りの1ヶ月になったが、大切に自給作業をしたいと思う。一年間を通して、自給生活を探求出来た事は、有難い事であった。あわただしい一年であった。今年は、お米で畝取りが出来た。久しぶりの事であった。大豆も山の畑での栽培法が見えてきた。小麦は課題が残るが、何とか栽培の目途が立ってきている。慌ただしかった割には随分と自給技術の前進のあった年だ。いずれも共同作業で行っているという所に意味がある。共同で行う事で楽になる。時間短縮が出来る。技術の前進がある。一日1時間の自給の本質ではないか。そして、土づくりという事が少しだけだが実感出来てきた年でも会った。良い土壌というものが、少しづつ見えてきた。自然農法の人は良い土壌を作るには、何かを持ちこんではいけないと主張する。そして、対極的に炭素循環農法の人は、剪定枝等を畑に大量に入れる。土づくりは多様であるが、私の考える土づくりは、自給農業には自給の為の土づくりがあるという気がしてきた。

多くは持ち込まないが、何も入れないという事ではない。自分の暮らしの中で、自然に循環させてゆく土づくりである。落ち葉や、周辺の草を堆肥にして畑や田んぼに入れてゆくという、自分の暮らしの状況による土づくりである。結果として、昔のごく普通だったやり方に戻るという事だった。その結果は、慣行農法より多く収穫が出来て、永続性もあるという事だったから嬉しい。江戸時代の優秀さを再発見した所だ。田んぼでは冬の間に、田んぼの藁の腐食を進め、堆肥化することである。生の藁をすき込む事は土壌を悪くする体験を繰り返した。堆肥化した藁は、良い土壌を作る。そして12月は落ち葉を出来る限り集めることだ。落ち葉ほど土を良くするものはない。それは草よりも効果が高い。里山とか屋敷林を大切にした理由が体感できた年だった。12月は土づくりの月にして置けばいい。直接の農作業は麦踏くらいになるので、せっせと土づくりをする。田んぼの畦直しも、棚田の冬作業の定番である。ハザがけの竿作りもする。今年は竹の枝でほうきを作りたいという人がいるので、一挙両得である。ついでに、竹楽器を作りを教わる予定である。

11月の大豆の収穫から、小麦の播種の流れが、上手く調整できた。11月8日に大豆の刈り取りが出来た。例年より1週間早く大豆が乾いた結果である。畑の方は8日の内に堆肥撒きをして、1回目の耕運をした。そして、22日まで2週間土を落ち着かせて、再度の耕運を行い、小麦の種まきをした。土がふかふかの見事に良い状態になっていた。土のにおいもなかなかいい感じに思えた。小麦は30日には一斉に発芽した。土の受け入れる力が増して居る感じがした。並行して大豆の脱粒が13日で、選別が29日である。お陰で、タマネギの植え付け、ソラマメときぬさやの種蒔きと滞りなく作業が出来た。タマネギは400苗を購入して植えた。植えてから雨が良く振っている。今日も雨だと天気予報では言っている。苗の様子がとても良い。いつも乾いて苗が痛んでいたのかもしれない。

今畑にあるのは、大根、小カブ、まだあるトマト、白菜、キャベツ、ホウレン草、小松菜、ブロッコリーは今年は意外に上手く生育をしている。家の畑にも大麦と、小麦も播種出来た。大麦は麦茶用で、小麦は危険分散である。例年より10日遅れての麦蒔きだったが、発芽が1週間と意外に早く大丈夫だと思う。田んぼに撒いた、ヘヤリーベッチはばらまきでそこそこに伸びている。良く出ている場所は地面のぬかるんだような場所だ。ばらまきでは乾いて発芽しない種が多いいようだ。緑餌用の大麦はやはりただ蒔いただけではそれほど発芽しなかった。普通以上に収量を上げ、10年先には土壌がさらに良くなっている。こういう農法でなければ自給の循環する農法とは言えない。まとめるにはもう一息であるが、その方向が見え始めている。誰にでも一日1時間の農作業で自給できる。年齢とともに、体力は落ち始めているのも実感した年だった。12月の寒さが土づくりには適した季節になる。

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