広島豪雨災害

   

下田港 10号 

広島で大きな豪雨災害が起きた。多くの人命が失われている。災害で突然亡くなられるという無念を思うと、悲しい思いに包まれる。ご冥福をお祈り申し上げます。何故これほど日本は災害が多いいのかと、日本の自然の豊かさと裏腹な、自然の危うさに呆然とする。私の住んでいる舟原地区は土砂災害危険地区に指定されている。土砂災害は他人事とは思えない。大半の家が、レッドゾーンとイエローゾーンに含まれている。これは久野川の土砂災害の危険を調べただけで、急傾斜地に関しては現在調査中ということである。広島の今回起きた地域は、土砂災害が過去にも起きていて、地盤が軟弱と言うことである。しかし、土砂災害の指定はされていなかったようだ。近く調査をする予定だったというが、指定の遅れの原因は、地方行政の怠慢である。国が指示をだしてから、充分に時間はあった。行政は危険個所を科学的に判断して、事前に把握しておくことが、防災の前提である。

舟原から、久野小学校まで徒歩で避難することが、現在久野の災害訓練では言われている。それがいかに危険なことかは、舟原の住民のほとんどの方が言われる。だから逃げろと言われても逃げる気に成れない。当然の反応だと考える。さらに30分ものぼった和留沢集落からも、危険と言われている川沿いを一時間も歩いて久野小まで逃げる指示である。誰が考えても危険極まりない。こんな避難方法で人命が失われる可能性を考えると、実に嫌な気持ちになる。一律に小学校を避難所にして、事足れりとしているのでは、県の指示に対する形式解答と言うことになる。広島土砂災害のことであった。ここでは広島市の避難勧告が出たのが、土砂災害が起きてから1時間後と言うことだ。住民が異変に気付いて、逃げようとした時にはすでに土砂崩れが始まっていた。多くの住民が語っているのは、その時にはもう外には逃げようがなかった。真っ暗で土砂降りで、あたりは滝の様に土砂が流れている。せめて家の中の上の方向に逃げるしかなかったようだ。

災害対策としては、各々が早く状況を把握する。これしかない。真夜中のことだがともかく情報を集めることだろう。この場合、インターネットはアクセスが集中して繋がらない可能性もある。ラジオでもテレビでも、日ごろからいざという時の情報収集の方法を確認しておくのは重要である。分らなかったら、真夜中でも遠慮なく、市役所でも、警察でも、消防署でも、電話して聞いたらいい。小田原テレホンサービスは0120-244-400.それにしても、被害状況の把握も遅れた。2日目になってから行方不明者が一気に増えた。原因は住民情報が完備していないということではないか。舟原でも住民の名簿がない。緊急連絡先が分らない。自治会長として、とても不安に成る。先日新任自治会長研修の席で、この点質問した。ところが、小田原市の回答としては、住民一覧を作りたいなら、自治会員全員の了解を得てやって下さいと言う、他人事の様な回答だった。個人情報収集の責任問題が行政に来てほしくないということだ。それでも、希望者だけでもいいので、緊急連絡先等、最小限の情報がなければ、地域防災など不可能ではないかと思う。

広島市長は避難勧告が遅れた点について、一連の対応について「防災計画のマニュアルに基づいてしっかり対応した」と述べている。つまり、遅れた認識がないということだ。それでこれほどの死者が出た結果だ。申し訳ないがお役人的逃げ口上に聞こえる。行政はこの程度の物だと認識して置いた方が良い。結局は地域の連携である。自分が早めにどう逃げるかを考えることだ。逃げられない弱者の把握もしておく必要がある。土砂災害で家が埋まっていても、中に何人の人がいて、老人や子供は居るのか。障害者は居ないのか。こういうことが分らないで、地域防災など出来ない。日本の豪雨は過去例のない深刻なことになっている。温暖化が原因に違いない。これからもっと激しい豪雨が来る可能性があるということになる。西の方で今起きていることが、関東でも起こる可能性が高い。早急に実質のある対策を立てる必要がある。お役所便りでは事が進まないとすれば、住民自らが避難方法を考える必要がある。

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