内部被ばくの報告

   

内部被ばくについて心配がある。心配があるだけで科学的判断が出来ない。まず現状どうなっているのか、福島の現在の状況報告がある。被ばくおよび被ばく検査に関するQ&A 坪倉正治 / 血液内科放射能に関する報告には、様々な偏向が感じられるものが多く、何を信じたらいいのか不安になることがあるが、この内部被ばく報告は冷静なもので、信頼してよいものだと思う。ここでは低線量被ばくの影響を科学的に述べているのでなく、福島に暮らす人たちの現状をデーターとして示している。結果から何かを判断しているというより、現状分析を示すということになる。ここから、小田原で自給して暮らしている場合の内部被ばくについても、類推して判断が出来る。福島ではキノコ、イノシシの肉、柑橘類、柿、ため池などに住んでいる魚などは、高い値が出るものがあり、出荷制限がかかっている場合がある。小田原のイノシシ10頭の値が出ていたが、40から90ベクレルぐらいのようだ。東北や北関東の一部では、100ベクレルをかなり越えている。こうしたものを継続して食べている人は、高い値が出ているということが書かれている。

内部被ばくの高い値の出ている人の、食生活を調べて原因が特定できるということだろう。例えば水道の放射能の値は、福島でも通常値に戻ったそうだ。そのことは、逆に言えば、沈殿した泥には、高濃度の放射能が蓄積されているということになる。イノシシはそういうところの根などを食べる。この沈殿した泥の高濃度は、東京湾の河口付近には存在するはずだ。この泥の中に居る例えばハゼのような魚は、高濃度になっている可能性が高い。その魚を常に食べていれば、東京に暮らしていたとしても、内部被ばくはかなり高いものになる。このことは、逆に言えば、そういう特別なものを食べなければ、すでに小田原では通常値に戻っていると考えていいということになる。もちろんこれは私の個人的な判断である。他の人もそれぞれに考えるべきことだ。自給で暮らしてゆくということは、この土地で生産される農産物で生きていけるかである。生きていけないなら、土地を放棄するほかない。

小田原と言うという離れた地域でも深刻にそういう判断を迫られた。キロあたり100ベクレルの基準で大丈夫だと私は判断した。自給していれば、大半の食べ物ははるかにこれより低い。食べる物のすべての平均値で考えれば私自身の身体に影響することは考えられない。そして、1年目より2年目は半減し、現在は、4分の一以下になっている。土壌ですらこういう変化をしている。土壌は結合して、減少が少ないが、予想より早い速度で減少している場所が多い。もちろん沈澱して一向に減らない場所もある。しかし、そうい今でも高い値になる場所でも、土壌との結合が強いから、農産物への移行は急速に減少したのだろう。お米でいえば、3回目の測定になる訳だが、2ベクレルの検出限界以下になるところが、大半のはずだ。くどいようだが、だから誰にでもこの考えを押し付けることはできない。農薬でも、重金属でも同じことで、安全というものは、各々が判断する他ない。

安全というものは比較の問題であり、大人と子供が違うように、それぞれの個人差がある。あえて言えば精神の影響という意味では、思想の問題でもある。人間はどこかで死ぬのである。そのことを受け入れられないのが、現代人の一つの特徴である。この痛いところに、放射能汚染が火を付けたのだろう。アレルギー問題と同じで、他人が一般論でどうこう言えることではない。特に低線量の被曝となれば、個人差があるだろう。誰しもがんになった時に、想像をめぐらすはずだ。悔やむかもしれない。いずれにしても、今生きている日本の団塊の世代は、福島原発事故以上の放射能汚染を、南太平洋の原爆実験の影響を受けて育ったと考えている。何らかの影響は間違いなくある。しかし、平均寿命は延びている。すべては総合的な結果である。イノシシは内部被ばくの強い状態で暮らしている。福島のイノシシを分析してみるということはできないものだろうか。

 - Peace Cafe