玄米せんべいは難しい
御菓子というものはあまり食べないが、せんべいは好きだ。草加せんべいのような硬い醤油味のものと、品川巻きが好きだ。何とか作れないかと昔から思っていた。お米を作っているのに、上新粉を買ってきて作ると言う気はしない。何とか米粉を製粉して挑戦してみたいと思っていた。以前も挑戦したのだが、なかなか上手くいかないまま、製粉した米粉は、お好み焼きなどに入れて食べてしまった。これはこれで小麦粉だけのものより、面白いものだった。今年は、里地里山協議会の製粉機で、どんど焼きの団子の粉を作ることになった。それに合わせて、米粉を製粉できることになったので参加させてもらった。どうせ作るなら、普通手に入らない、玄米米粉を作ってみた。3回製粉をして、細かいものと、荒い粉が出来た。細かいもの熱湯で練って、団子にしてみたが、甘い香ばしい味がしてなかなかいい。これならいよいよせんべいである。
せんべいにするには、粗めの粉が良いのではないか。細かすぎると、どうも米の風味が無くなる気がする。しかし、荒い粉は熱湯で練るだけでは固まらない。そこで、ぬるま湯でよく練ったものを蒸してみることにした。ぬるま湯で練ったくらいでは、全く粘りは出ない。ばらばらのまま10分も蒸してみたら火が通り粘りが出た。そこでもちつき機に入れる。これでよく捏ねるのが作戦である。いつも五平餅を作っているが、この時ももちつき機でこねる方が楽である。手で捏ねるくらいではさしてねれない。もちつき機でぎりぎりまで練り上げる。しかし、今回出来上がってみたら、水不足であった。それなら途中で熱湯を加えてやればよかった。それでも粘る塊になったので、冷める間に餅の形にした。四角いものと、丸いものだ。四角いの海苔を張る予定。丸いのは醤油を塗る。薄くと思ったのだが、面倒くさくて3ミリくらいの厚さである。どうも1ミリくらいが良いようである。これが上手くいかない原因の一つのようだ。
すぐ天日干しにした。3日間は干す。干している間に一回り、小さく成る。炎天下に干したが、少しづつ反り返ってきた。半日で裏返したら、裏側は水滴があるほど濡れていた。夜は取り込み、昼間はまた陽にさらした。こちこちのこんなものが、せんべいになるかと思うほどカチカチで、不安になる。調べて見ると、柔らかく焼くのが難しい。一回目は硬く成って、揚げせんべいにした。揚げるとこれまた香ばしく甘みが増してなかなかではあった。しかし、せんべいはパリッとして、割れるような歯ごたえが重要だと思う。弱火で長く、焼くことにした。まずはオーブントースターの100度で10分一度冷まして、もう10分焼いてみた。なかなかである。確かにせんべいが出来た。醤油をつけて、もう一度焼いてみた。そこそこのせんべいではあるが、硬い。
せんべい作りには火炉(ほいろ)という工程があるらしい。煎餅の独特のパリッとした感じを作りだ。煎餅が焦げない温度50度から60度で、1時間以上あたため続ける。水分を上手く抜いてやることが出来ると、やわらかいせんべいになるそうだ。そこで陶器製の2重がまで弱火で焼いてみた。しかし、まだ硬い。せんべいは難しいものだ。色々干してみると、干しの具合も影響するようだ。今のところせんべいは諦めて、玄米米粉はうどんにして食べている。小麦粉2に米粉1の割合で入れてうどんにする。なかなかいいものである。米粉をうどんにするなど、もったいなくてお祖父さんに怒られそうである。しかし作ってみると、お米の方が作りやすいのだから、これは仕方がない。
昨日の自給作業:麹の仕込み2時間 累計時間:18時間