尖閣問題の緊迫
少しは落ち着いて、尖閣問題が書ける状態が出来てきた。日本の未来にとって極めて大きな問題である。中国は国内の民主化の動きが強くなればなるほど、尖閣問題での緊張を高め始めている。石原慎太郎氏の唐突な、選挙パフォーマンスで、尖閣国有化問題が起こされた。もちろん石原氏の主張である日本の軍事国家、強盛国家への布石である。軍隊のない国家日本という姿が、頼りなく許せないものなのだろう。尖閣を国有化するのであれば、事前の中国との外交交渉の積み重ねることが必要である。中国の政府の交代時期にぶつけて、領土問題の先鋭化を起こす姿は、関東軍による満州事変へ日本全体を引きづり込み、満州国の建国をした戦略を彷彿とさせる。尖閣問題を本気で考えているなら、石原氏は自分が過去衆議院議員時代に、外交を持って中国と渡り合うべきだった。石原氏の行動は、長い日中の友好構築の努力を、無駄にしかねない暴挙である。
領土問題は経済と結びついている。中国が日本の経済力を必要とした時代が、解決のチャンスであった。あの時代何故手をこまねいていて、今になって騒ぐのか理由は強盛大国である。北方4島も、竹島もそうである。領土問題が今出てきている真実の狙いは、日本に軍隊を作ろうと言う事だ。自衛隊では心もとないという気持ちだろう。北朝鮮にまで、軽く見られているのは、軍事力がないからだと考えているのだろう。軍事力というものには、限りがない。現在の自衛隊でも、そこそこのものである。最近軍事拡大で目立ってきている中国の軍事力と同等の日本の軍事力とみていい。自衛隊とは言え、現実にはそこそこの軍事力である。つまり、軍事力とは常に相手を上回っていなければならない性質である。しかし、核保有すれば事情が異なる。北朝鮮をあまり脅せば、暴発し原子爆弾を落とすかもしれないという、威圧感がある。
平和のための軍隊と言うと、オウム返しのように、スイスの軍隊が言われる。スイスは軍事力で国を守っている。本気でそう考える人もいる。あの程度の軍事力など、ひとたまりもない。しかし、スイスが永世中立で、ナチスですら攻撃しなかったのは、永世中立国スイスという国の不可思議な外交戦略の歴史的成果と考えた方がいい。ナチスの経済がスイスの経済と密接に関連していたと言われる。どこの国の独裁者も、スイスの銀行を利用するらしい。スイスの小さな軍隊に全く効果がないとは言えないが、ナチスにとって占領する意味がリスクに比べて小さかった。どれほど軍隊が強大であれ、ナチスは、イギリス、ソ連、アメリカを同時に敵に回したのだ。北朝鮮まで核武装する時代である。軍事力の対抗で、自分の意見を強引に通そうと言うことは無意味である。戦争によって解決できることなど、何一つない。第2次世界大戦に勝った国々にも、傷を残しただけである。
安倍政権は北方4島の返還問題に手をつけるだろう。既に、4島返還の主張を譲る可能性を見せている。3島返還を現実的に示唆している。それも外交的に出来るなら、大いに進めるべきだ。ロシアとの関係で何らかの成果を上げる必要がある。朝鮮、中国に圧力がかけられる。この外交戦略は間違っていない。何をロシアに譲るのかである。ロシアの天然ガスを北海道にパイプラインを作り運ぶということを、大地の党は主張していた。経済的互恵関係の強化はいい。日中は、日韓は互恵から、競争関係になったことが、領土の対立を高めている。中国の経済的なメリットは何か。ここを考えなければならない。日本の経済界は中国市場をどう利用するかだけを考えている。これでは、排除されるのは当然である。ロシアとインドの友好関係、経済関係を先行させることは、中国に圧力を掛けるためには、必要な外交である。アジア諸国との経済関係で、中国と競争しないことである。この点アジア市場を主張する、安倍政権は間違っている。枠組みを明確にして時間を掛ける。スイスに学ぶのはそうした外交戦略であって、軍備ではない。
昨日の自給作業:5時間竹藪の片づけ 麦の草削り 累計時間:10時間