醤油の作り方
2016/04/05
笹村農鶏園の醤油の作り方は、簡単に出来る方法を考えた手抜き法である。手抜きではあるが、大豆と小麦は自前で手抜きなし。塩も作りたいと考えて準備したのだが、さすがに日本近海の海水はしばらく見合わせるという事である。今年で6回目の醤油の仕込みである。大した経験という訳でないのだが、充分に美味しいものが出来ている。お腹も壊さないので、一応大丈夫である。
準備するもの
材料 1、大豆(6k) 2、小麦(6k) 3、海水塩(4k) 4、醤油麹(40g) 5、良い水(16L)
☆材料の味で醤油の味は変わる。2年という歳月を掛けて作るのだから、できる限り良い材料を集めないと後でがっかりする。できれば材料は自給する。
器具など6、麹室 7、樽 8、大ポリ袋2枚 9、大鍋 10、扇風機 11、ホットカーペット 12、温度計
☆麹の温度管理をする部屋が必要。温度の上がり過ぎが課題。放熱の為には、寒い季節しか出来ない。又寒い季節の方が雑菌が少ない。部屋自体を暖められない場合は、ホットカーペットを下に敷くと便利。私の作る量で4畳半は必要。雑菌が多いいような部屋では良くないだろう。私は絵の飾ってあるギャラリーの床に広げている。ブルーシートを広げ、その上にシーツの大きいものを2枚広げる。
☆樽は作る量しだいだが、重いので動かせなくなる。2年間置きっぱなしでもいい所が必要。樽の置き場所は冷暗所。しかし、あまり少量では作る負担に比べて情けない。
☆ポリ袋は丈夫で大きなものを2重で使う。可塑剤が溶け出すとか不安な人がいるようだが、マヨネーズの容器と同じで大丈夫。
☆菌の量は40gは多い。もっと少なくても大して変わらない。多分専門家はこの10分の1.安心量。
作業
1、大豆を煮る。一昼夜水に浸した大豆を煮る。大豆が崩れる寸前まで10時間、味噌の時より良く煮る。蒸しが出来るならその方が美味しいはずである。煮る場合、煮汁がもったいないので、出来上がり時に水なく成る仕上がりを目指す。
2、大豆を煮ている間に小麦を準備する。小麦はまず良く煎る。色が変わり香ばしい香りが出て来る。焦げる寸前と考えている。大きなフライパンがないと作業が大変なことになる。
3、炒った小麦を砕く。製粉機を荒くして使う。製粉機がない場合はひき肉の機械。すり鉢すりこぎ根気良く砕く。
4、大豆が煮えたらをざるに上げて適度に水を切る。少し水分があっても、煎り小麦と混ぜるから心配ない。40度まで下げて使うので、少しさめてから作業をした方が安全。早くやりたい場合は扇風機で冷ます。
5、砕いた煎り小麦に、味噌麹菌を混ぜる。味噌の時と同じ要領で、ボールに少量取り出しまず混ぜ、その上で全体にまんべんなく混ざるようにする。
6.40度になった大豆と小麦を丁寧に混合し、シーツで包む。シーツの上から段ボールなどで保温。本来であれば湿度のある32度の麹室で管理するところだが、温度計を中に差し込み32度を目指して温度管理。電気毛布やホットカーペットでもいい。しかし、気温によるが下がるより、上がり過ぎに注意。デジタルの温度が上がるとピピとなるのがあれば、より望ましい。
7、麹の塊が40度を超えないように厳格に管理し、6時間が経つ頃には、熱が上がり始めるので、保温を止める。このまま18時間経過させ、ただし上がり過ぎの時は、早めに広げる。ブルーシートの上にシーツごと広げる。この際、温度の変化を見ながら、平均32度前後を目指して、畝を作る。周辺は冷えるので、熱い所と上手く混合する。このあたりは付ききりで、目が離せない。
8、麹の温度管理では、気温が低くてもすぐ上がり過ぎになるので、要注意。そこで薄くして大きく広げるために、広い面積が必要になる。盛り込みから29時間(時間にはこだわらないこと)後に2番手入れ。全体を平らに広げ直す。麹菌が繁殖しているのだから、麹菌の好むように水分を霧吹き出掛けてやったり、加湿器が使えるなら加湿する。麹は余り触らない方が、良い繁殖をしてくれる。40度を越えると言うことは、納豆菌のような雑菌が混入し広がることなので、35度以下に管理する。もし温度があがりそうになったら、手入れを繰り返す。
9、盛り込み後45時間ほど経過し、充分に麹菌が回っている状態になれば、出麹となる。ぼそぼそな状態になる。菌の回り具合で足りない気がしたら、続けてもいい。
10、もろみの仕込み。麹が完成したら、大きな容器に2重のポリ袋を入れて、中に麹を入れる。上から、塩水を注ぎ込み、攪拌する。攪拌が出来たなら、袋から空気を抜きながら、ゴム輪で2重にふさぐ。
11、1ヶ月ほど経ったら、開けてかき回す。櫂入れと言って、上のものを下に押し込むように行う。後は3~4カ月ごとに同じことを行う。その都度舐めて見て、よしと思えば出来上がり。早い人は一年もしない内に使うようだ。私は2年物から使い始め、何時も2樽仕込んである状態。
☆アルコール発酵のような味が加わることがあるが、問題ない。高温になり納豆菌が繁殖した場合、幾らか納豆の匂いがするが、納豆用の醤油と思えばいい。