オバマ大統領プラハ演説

   

核廃絶に向け、4月5日、オバマ・アメリカ大統領はプラハで演説を行った。本気では受け取っていなかった。その後時間が経過するにしたがって、もしかしたら、オバマ氏は本気で核廃絶を考えているのではないかと思うようになった。従来のアメリカの主張は自分が圧倒的な核兵器を持ち、他の国には持たせないと言う馬鹿げた論理だった。これでは北朝鮮やイランに核開発を止めさせる根拠がなかった。しかし、二つの根拠でアメリカの考えが変わったと見る。先ず経済危機。もう軍事競争をしてゆく余力が米を始め、イギリス、フランス、ロシアにない。一方、中国等の核武装は度を過ぎてきた。それが、北朝鮮にも波及し、どの国も核武装しないければ、安全でないと言うような、新しいバランスが生れ始めている。少なくとも大統領の考えは、本当に変わったようだ。

しかし、核廃絶について、日本の政府は全く反応がなかった。本来、日本こそオバマ氏の主張に最初に同調し、最初に行動を取らねばならない国のはずだ。それが日本という国家の国益に繋がる。広島、長崎の関係団体からは是否オバマ氏に来てもらいたいというメッセージが出ていた。既に、核兵器を北朝鮮が保持すると言う状況は、国力の強弱とは関係がなく、北朝鮮にアメリカが脅される状況が生まれている。残念ながら、日本の首相は引きづり降ろされことに汲々として、オバマ氏の重要発言も届いていないようだ。イタリアで核廃絶の本音を確認したのだろうか。ロシアからも領土問題で軽くあしらわれ、日本の影は薄くなるばかりだ。そうしたところ、芸術家個人としての三宅一生さんの14日付の米ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿がでた。これまでの沈黙を破って幼年時代の原爆体験を明らかにした上で、オバマ大統領に広島訪問を促した。

三宅氏のデザインはとても素材というものを生かした服だと思ったことがある。東洋人の持つ素材の伝統的素材感がいかされている。植物と自分の生命とを一ツナガリトするような、素材感を感じた。これがヨーロッパの人に新鮮なんだと思った。インターナショナルである事は、よりナショナルであること。そう言う事で影響を受けた。津軽の風土に根ざした、板絵の棟方志功が同時代の日本人として唯一国際性がある。三宅氏に同ような印象を昔パリで感じた。いまやヨーロッパのデザイナーは、素材に敏感なデザインをしている。三宅氏の影響を受けたのだと思う。三宅氏は国際的なデザイナーとして、とても高い芸術レベルで活動をしている。三宅氏の今回の発言は、発信力としてとても大きいと思う。オバマ大統領の反応が、期待できるのではないだろうか。

日本人は、中国の軍拡で脅威を受けている。北朝鮮の核武装に及んでは、核兵器による圧力は、米国の核の傘の意味での対抗だけでは、圧力にはならなくなっている。中露や英仏、インド・パキスタン、イスラエル、北朝鮮といった、すでに核武装している国々は、オバマの核廃絶に本心から賛成するのかどうか。ここに日本の役割がある。オバマ演説でも、核廃絶を長期的目標としている。米露は、双方が戦略核弾頭を約3分の1ずつ減らし、核弾頭を搭載できる戦闘機や潜水艦についても大幅に減らす核軍縮の合意を締結した。 オバマは本気で「米露を中心とする先進国が核兵器を廃棄して世界の手本となり、北朝鮮やイランなど途上国が核兵器を持とうとするのを思いとどまらせる」と考え進めている。日本がアジアの一国として、非核地域の宣言を行う。核兵器を持つことの不当を主張しなくてはならない。

昨日の自給作業:田んぼの入水路の詰まりを直す。大麦の収穫。2時間 累計時間:14時間。

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