生ごみ堆肥化の課題
先日の検討委員会では、宿題が二つあった。一つは良く聞き取れなかったのだが、電動の生ごみ処理器についてではなかったかと思うが、使ったことはない。生ごみ処理法については、あらゆる方法が並列して存在する。どれがどの家庭に適合するかは、状況次第である。検討委員会としては、個別の事に踏み込む余裕はない。何しろ残された4回で小田原全体の生ごみの堆肥化を考える必要がある。もう一つの宿題が、「生ごみ堆肥化の地域内循環の課題について」である。
〇現状と課題
1、現状の生ごみは無料で収集されている。生ごみをコスト的な観点からは考えらたことがないし、考える材料がない。先ず廃棄物会計が行われていない。どのような費用が、どの部分ににかかっているのか定かでない。他行政との比較も出来ない。比較が出来ないまま、広域化すればコストダウンが出来ると、不確実な根拠のない考えが、行政によって流布されている。生ごみを焼却するために、どれだけのコストがかかっているのか、現状では判別が付かない。生ごみを焼却し続ける事で、焼却炉の寿命が短縮され、助燃材が必要となるなら、それもコストとして分かるようにしなければ、処理法の判断など出来ない。
2、現状は各地域にあるごみステーションへの混合持ち出しである。そして、業者による収集の方式では、どのごみが誰のものであり、どういう問題があるかが、まぎれて仕舞っている。生ごみをいっさい出さない暮らしをしていても、それを評価する、事もできない。戸別収集とコスト問題も検討すべき。特に事業系生ごみの混合も課題である。
3、いつでもち込めば、無料で搬入できる、ごみステーションがない。あえて、戸別に久野の焼却炉に持ち込むと有料になる。あらゆる家庭ごみが無料で持ち込める、本来各地域にあるべき、ごみステーションがない。
4、生ごみの焼却処理は、温暖化阻止の時代の要請に逆行している。特に高温で溶融処理をするなど、もってのほかのことである。生ごみの堆肥化は時代の要請である。所が現状では、広域化の課題とされていない。現状の熱回収炉の効率では、温暖化対策にはなっていない。
5、遠隔地まで生ごみを輸送している。生ごみの家庭処理法が見えていない。生ごみの家庭レベルでのコスト意識が、醸成される仕組みになっていない。
6、生ごみの堆肥化は、予測では、50%を超える辺りから、コストが増大すると思われる。安価に出来る所もある。
〇具体的な解決策
1、廃棄物会計を行うと、ごみの本当のコストが見えてくる。例えば検討委員会の日当も、ごみ処理費の一部である。大きな方向としては、生ごみの一番安価な処理法として、生ごみの収集を止める事。家庭において処理してもらう事である。事業所は全て事業所において処理する。発生箇所で処理する事が大原則と成る。もし発生源で処理できない部分があれば、利用箇所で処理する。輸送コストをできる限りかけないこと。発生責任で処理する場合、市民全てが可能な生ごみ処理方法を提案する必要がある。以下で触れる。
2、当面の目標として、生ごみを出さない人にメリットがあるようにする。「生ごみ出さないゴミ袋」を、行政が無料配布する。環境部や環境美化センターで「生ごみ出さない・入れないゴミ袋」を登録配布する。生ごみを自己処理で行うと言う事を決めたは登録を出来る。すると世帯人数に応じた、ゴミ袋一年分を無料でもらえる。
3、生ごみを出さないですむ処理法を提案する。市街地では韮崎市すーぱーやまと方式を参考にして、商店街や、スーパーに生ごみ前処理装置を設置し、持ち込めば処理できるようにする。ダンボールコンポスト資材は、行政が無料配布する。
4、広域化処理になった場合、生ごみを長距離輸送することは、禁止すべきこと。生ごみ堆肥化処理施設を各地に点在させ、できる限り身近な地域処理にする。生ごみ堆肥の利用を推進するためには、全てが見える形で行わなければ、利用農家が増えない。見えない訳の分からない内容物では、農地が最終処分場になる。早急にモデル地域を久野に設定する。久野は里地里山指定地域である。小田原は有機農業を推進する方向も出ている。農水省予算で堆肥化施設は建設できる。
5、生ごみを一括焼却するのでは、熱回収をするどころではない。助燃材の重油を炊いて、熱回収するのでは、発電所と同じである。生ごみの焼却処理しないですむ方法を検討委員会提案する。
6、ほとんど費用が必要なく、堆肥化できる部分も農業地域ではある。又行っている家庭も農業地域では多い。例えば、久野地域の舟原自治会では、生ごみは行政の収集には出さない。というモデル自治会となる。その代わり、その為に削減される75世帯の生ごみ予測量と焼却、最終処分のコストが、自治会に提供される。