宮崎で2例目の鳥インフルエンザか。

   

宮崎県で2例目のトリインフルエンザの発生らしい。日向市東郷町は今月11日に発生のあった、清武町から60キロ離れている、山間の農村地帯。わざわざ行かない限り通過するようなところには思えない。宮崎だから、ブロイラーの養鶏場が点在しているところのようだ。このパターンで、他の日本海側の都市で、次の発生があれば、渡り鳥説がかなり強くなる。今回のウイルスは前回の3年前の強毒ウイルスとは、違うタイプだそうだ。いくつかの強毒のウイルスが存在すると言う状態は、強毒化する原因のほうも、複数存在したと言う事だろう。これは今まではなかった事なのだから、やはり新しい状況に、原因は存在する。新しい状況とは、アジア全域に広がった、大規模養鶏場のどこかに、問題の所在があると考える事が自然であろう。

充分の管理知識がないまま、工業的養鶏が広がる。管理能力のない、地元農家の人に管理が委託される。その人の鶏でなく、その人が食べるわけでなく、その人の経済でもなく。その人は、いくばくかの賃金を貰って働いているだけ。例えば飼料に抗生物質を加えては成らない。等と言う事が、きちっと守られるだろうか。中国での野菜農家の実態と言うものが、もう自分が食べる物でないから、ひどい農薬の使用が行われた事例が、知られている。もし2,3軒養鶏場で、とんでもない飼育をしている、大規模養鶏場が存在したとする。そこに弱毒のウイルスが入り、感染を繰り返し強毒化してゆくと言う事は考えられないか。経済だけを優先した、一見合理的に見える、大規模養鶏が人間の暮らしをこわし始めている。インドネシアの今の状態など見ると、感染防御をあきらめてしまったのかと思うほどだ。鳥インフルエンザでの62人目の死亡があったそうだ。最初の発生以来、全世界での死亡数の半分が、インドネシアだ。インドネシアは被害国だ。被害国が今度は更に深刻な、人間のインフルエンザの出発になるかもしれない。

農薬のバナナ・ブーメラン、先進国で使用禁止農薬が、まだ使える国に安く送られてバナナとなって帰ってくる。家畜の大量飼育の問題は、一国の問題でなくなっている。今や大資本が、農村に入り込み養鶏をしている。その肉を日本が購入している。そんな事を、経済協力とか言っているのが資本の論理だ。日本が率先して、アジアの感染拡大の歯止めに協力する。世界から根絶しない限り、今宮崎で起きている事は繰り返され、もう養鶏というものが、危なくて出来ない状況になる。もう一つ日本の役割がある。それはウイルスの研究だ。茨城県の昨年の事例を見ても、人を介しての感染としか、思えない現実がある。このことに対して、ウイルスの専門学者の発言と言うものを、見た事がない。一体茨城でウイルスはどういう実態で拡散して行ったのか。スペイン風邪のウイルスは何故生まれて、どういう経過で消えていったのか。

経済優先の考え方が、一見日本人の暮らしを豊かにした。その内実、人間らしい鶏の飼い方すら、出来ない暮らしを強いられている。鶏を庭に話して飼う事が許されないような、現実を生み出したのは、経済だけを追い求めた、大資本の論理だ。これを世界中に広げて、いかにも経済協力とか言いながら、実は人間の暮らしを崩壊し続けている。最も天国に近い暮らしだと35年前言われた、ニューギニア高地人の暮らしは今どうなっているのだろう。鶏の放し飼いができないような生活を、彼らが強いられているとするれば、日本の利便性だけの暮らしの犠牲者だ。

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