日中韓外相会談の重要性
2025/04/24

3月22日の日中韓外相会談が行われた。その後の共同記者発表で中国の王毅外相は「国際情勢が混迷し、世界経済の回復が伸び悩む中、中日韓は協力を深化し、地域の平和と発展により多くの安定的要素を提供する必要と責任があることで一致した。」また「多国間主義」「自由貿易」「一国主義や保護主義反対」。の発言もあった。
極めて重要な日中韓外相会談となった。中国のこれからの方向が、見えてくる方向性が含まれている。2007年に日中韓外相会談、08年に日中韓首脳会談(サミット)が正式に始まった。2024年5月に岸田氏が日本で前回の首脳会談を開催した。今回の日中韓外相会談では首脳会議も行うことが話し合われた。
早急に首脳会談を開く必要がある。今年中に開催予定とされているが、困難も予想される。前回の首脳会談は韓国のユン大統領の尽力で開催が出来た。今回は日本の努力で開催を早急に行う必要がある。トランプによって世界情勢は変わり始めている。近隣諸国で話し合いを持つことほど大切なことはない。
意思疎通をできる限り深めて、平和の道を探らなければならない。仮想敵国など馬鹿げた考えは早く捨てる必要がある。3カ国で話し合うと言うことが、現状では最善のことになる。日米韓の枠組みが、トランプ氏の登場でガタガタになっている。トランプ政権では東アジアから軍隊を引き上げるとまでの主張が出てきている。
アメリカは世界情勢の判断を出来ない状況になった。東アジアから軍を引き上げると主張することが、一番の恫喝だと取引材料に考えているくらいなのだ。関税のこともそうだが、他国を恫喝し、ゆすり、譲らせようという最低の外交交渉を世界一の大国が行っている。
アメリカ以外の弱小国は譲らざる得ない、と思い込んでいるアホ大統領なのだ。国家というものは、軍事力だけで動いているわけではない。小さな弱い国であっても、国の尊厳は対等なものだ。その意味すらわからないアメリカの姿勢は変わらないだろう。日本が属国根性を捨てて、考えなければならない場面が来ている。
アメリカの世界戦略からはずれるときが来ている。アメリカは恫喝政治で孤立して行くに違いない。日本がいつまでも属国でいることは国益にならない。まず、中国、韓国との関係を少しづつ改善することだ。中国にとってアメリカとの対立が深まる中、東アジアの安定は臨むところのはずだ。
日本から尖閣の領有権を国際裁判所に判断して貰うことにしたら良い。この提案が平和関係へのシグナルになる。対立の要素を少しでも減らすことだ。尖閣をあげつらう日本の極右勢力の力を抑えることにもなる。領土問題にこだわることは、戦争の火種になる。
ウクライナがその事例である。ウクライナは南東部5州をロシアに奪われることになりそうだ。平和のためであれば、領土を譲るとしても惜しいことではない。日中戦争は日本の満州への進出が原因している。満州に傀儡政権を作るような、ひどい行為を日本の帝国主義は行ってしまったのだ。その反省のない右翼がまた動き出している。
日本の極右勢力は日中韓の外相会議をどう見ているかといえば、産経では「中国の経済的威圧などは自由貿易を阻害する行為にほかならない。日本には自由貿易の牙城を守るため、米中の動向をにらんだ慎重な対応が求められる。」(中村智隆)としている。アメリカの手先のようなものだ。
米中は経済で案外に柔軟な交渉を続けるだろう。トランプは口だけ人間である。中国を追い詰めようとはするだろうが、決定的なことは出来ない。中国は他の国よりも強大だからだ。しかも、中国に進出している企業は、日本企業を含め多く、世界の工場なのだ。関税問題は中国だけのことではなくなる。
中国は戦後80年に際し、歴史認識を重視している。日本の中国侵略のことを忘れてはならないと言うことだ。8月に日本政府が出すという、戦争に対する歴史認識には、侵略戦争を行ってしまった誤りをまず謝罪することだ。中国本土を戦場にする侵略戦争があったことを忘れてはならない。これは韓国に対しても同様で、植民地化して、しかも戦争協力までさせた。
こうした過去の歴史を踏まえて、日本は深く反省し、謝罪し、新しい3国の関係を作らなければならないと言うことになる。誤りを認めることは難しいことだが、今こそ必要なことだ。その歴史認識が日本の極右勢力には全く欠けている。日本が悲惨な敗戦をしたことすら、認識がない。相変わらず大東亜共栄圏の夢のようだ。
日中韓の3国で話し合う枠組みは重要だと思う。中国にしてみれば、日韓の経済規模は中国以上のものになる。良い関係が出来れば、中国の経済危機も乗り切ることが可能になる。問題は中国政府の統制を自由化できるかである。中国に進出しても反日活動を先導するような政府では、良い関係を持つことが出来ない。
韓国もそうした政治勢力があるのだが、反日活動を先導することで、自己正当化をしようとする。日本が謝罪を繰り返すことは前提として必要だが、その歴史認識を、前向きなものに変える必要がある。中国政府が反日活動を扇動しない。韓国の政党が反日を取り上げて選挙利用しない。
互いにこうした譲り合いがあれば、3国の関係は良好になるはずだ。日本政府は侵略戦争の反省を明確にし、繰り返し謝罪し2度と起こさないことを表明する。平和憲法を守り、問題は平和的な交渉で解決することを誓う。同時に中国政府は反日教育を一掃し、政治利用をしないこととする。
世界状況は不安定化してきている。これを安定化するには武力強化ではない。武力強化はより不安定化をまして行くことになる。少なくとも日本は軍事力は他国を攻撃できない、国土防衛のための軍事力に限定する。ミサイル基地は直ちに廃止する。
アメリカは軍事情報をウクライナに与えないことにした。日本が、中国に接近することになれば、そういうことになるはずだ。日本は軍事情報を独自に監視できるようにならなければならない。国土防衛の為の武力強化は必要だろう。防衛型武力の研究開発は必要だと思う。
原爆による抑止力がなくとも、中国が日本に核攻撃しない限り大丈夫だ。日本と中国が関係の改善がなされ友好国になれば、中国が核攻撃をする理由がない。そうなるとアメリカが日本に核攻撃をするのか、まさかそういうこともないだろう。
中国は経済大国ではあるが、国民全体から見ればまだ貧しい地方の階層がある。国民全体が豊かになれば、習近平政権の独裁も終わるはずだ。それほど先のことではないとみている。あと10年平和が続けば、中国はアメリカの経済力を凌駕することだろう。