戦争に協力しないのは非国民か。
戦争不参加が利己主義だと武藤議員は主張している。どういう議員なのかと、書かれている武藤ブログを見ると、明らかに小田原の衆議院議員とは違う。明確な自分の主張をブログに表明している。「私には守りたい日本がある。」と冒頭に書かれている。この守りたい日本というものは私の考えている日本に近い。安倍総理大臣とも近い。「農業の衰退、破壊は、まさに日本の伝統文化の衰退、破壊に他ならないと感じるのだ。」ーー(武藤ブログより。)武藤氏にはぜひとも、日本の農業を守る具体策を提示してもらわなければならない。私は農地法を変えて、自給農業を可能にすることから考えている。武藤氏の主張では農業改革の具体策の提示が全くない。議員であるなら、所得倍増計画の具体策を示してもらいたい。具体策の中に、守るべき日本の農業の姿がある。具体策のない農業の主張は安倍氏が総理大臣になる前に主張していた、美しい瑞穂の国、日本である。これを壊しているのが安倍氏の今行っている政策である。
沖縄の基地問題に対する発言では「沖縄県民は補助金をもらうため基地誘致を望み、補助金をもらうために基地建設に反対しているのである。」ーー武藤ブログより。ここまで書いている。まるで床屋談義である。これはどう言い訳するのだろうか。北海道出身の人で、自民党の公募で滋賀県の衆議院議員になった人のようだ。北朝鮮の拉致を被害者を救出するために、自衛隊の特殊部隊が北朝鮮に出動できるように、憲法9条なくせとまで書いている。「憲法9条が邦人救出を阻み、日本の国際協力を阻止している。政府が言うように、拉致被害者救出に全力を尽くすというのなら、「そんな憲法は改正すべきだ」と叫ぶのが政府の仕事であろう。」――武藤ブログより。この人が守りたいと考えている日本は、どうもとんでもない暴力的日本である。憲法があろうがなかろうが、北朝鮮の拉致の実態が見えない以上特殊部隊云々どころでないだろう。
考えはとんでもなく違うが、自分の主張を明確にしている点では、武藤議員に好感を感じる。議員は憲法の範囲でこうあるべきだと思う。自分の考えを明確にしなければ、判断ができない。こうして明確に自分の主張を表明して、その結果として滋賀県の有権者が選んでいるのだ。沖縄県では選ばれないだろうが、滋賀県の有権者がこの人を選択したのだ。こういう人が安倍氏の望む自民党議員であろう。日本の司法に関しての発言では、「裁判所は万能ではない。まして科学的分野においては、研究所を裁判所が兼ね備えているわけもなく、尚更万能とは言えず、科学的見地において確立された事柄に、本来口を挟むべきではない。」ーー武藤ブログより。三権の独立を理解しているのだろうか。国会議員には憲法順守の義務がある。司法を否定することは困る。
武藤氏は、自民党によって日本が嫌な方向に進んでゆく、妄想日本の姿を彷彿とさせている人だ。例の百田氏の集会には当然参加していた。たぶん小田原の三人の国会議員も、本音では武藤氏と同じ考えだと言わざる得ない。いろいろの場面でそのことは確認してきた。しかし、驚くほど自分の考えを表明しない。こういうことを表明した場合、今のところは選挙で危険すぎると、考えているに過ぎないのではないか。武藤氏は選挙に自信があるので本音を出しているか。正直で、大胆な人の発言から、自民党の本音を知ることができた。戦争に行くのは、むしろ非国民である。解釈を変えさえしなければ、憲法はそのことを示している。憲法だけが日本の最後の歯止めのようだ。日本の世界での貢献は軍事的貢献ではない。平和的貢献を十分行わないがために、軍事的貢献を世界での日本の義務だなどという、意見が出てくるのだ。