衆議院選挙結果
夜の景色 中版全紙 あの大津波の後やっと、夜の海を3枚かいたうちの1まいだ。
衆議員は自民公明の与党が3分の2を上回る議席を確保した。割り切れない気持ちであるが、アベノミックスを国民の3分の2の人が選択した事だけは間違いが無い。選挙が実際には政策の選択になっていないので、明確でない所はあるが、アベノミックスが選択された事だけは確かだろう。残念だし、悔しい事だが、日本が悪い方角に向かって行く事が予測されるが、自分のできる事をやってゆくしかない。この残念な選挙の中でも、経済に惑わされない選択をした地域がある。沖縄の4選挙区だ。小選挙区では、見事に4人の野党勢力が当選を並べた。自民党候補を、公明党が支持するという沖縄の現状の対立点を考えると、許しがたい形の立候補である。そうした事も含めて沖縄の有権者は辺野古移設の政府の押し付けに対して、反対の意思を表明した。公明党が支持に回ったにもかかわらず、自民党候補は敗れたのだ。まさに政策で候補が選択された。
もう一つは次世代の党が19名から2名へと減った。これは田母神氏の立候補に象徴される、軍国主義路線は、さすがに嫌いだという事なのだろう。石原、平沼路線が、日本人のギリギリの線と言う事になる。減ったという意味で維新の会である。これも憲法改定派も相当いたわけだから、今回の総選挙で、憲法改定を明確に主張した党が、議席を増やしたわけでもない。このあたりが日本人の賢明な所が見える。経済では、アベノミクスでもう少し我慢するしかないが、軍隊を持つのは嫌だという選択と考えても良いのではないか。比例区で見れば、自民党が68議席、野党は次世代の党は2人にになり、全体では与党の倍くらいの数がある。平和憲法を守る人達は、半分以上いる。自民党はやはり、党としての支持は3分の1政党である。それは比例区を見ればわかる。衆議院選挙で支持を得た事は確かであるが、憲法の改定と言う意味では、かなり自民党は後退したという事ではないか。公明党と言う存在はどうにも分かりずらい。
私がいつも注目しているのは農水大臣である。今回は栃木2区の西川氏だ。TPP担当から、農水大臣になり、評判のあまり良くない人である。何しろ収賄罪で逮捕された事もある。それでもTPPの担当で成果を上げたという事で、農水大臣になった。勿論成果と言うのは農水省を黙らせたという事である。この人は栃木2区の選挙区で落選した。比例で復活はしている。さすがに、農家の人でこの人に投票はしにくかったのだろう。小田原で言えば、議員になってからも選挙運動ばかりしていた自民党候補が、圧勝したかといえばそれほど票をとっていない。準備不足で出た、野党2名の合計と大差がない。これも有権者のきもちがでている。アベノミクスは道半ばのようだから、もう少し様子を見ておこう。しかし、あまり大勝させて調子にのったら嫌だ。
沖縄では、普天間飛行場の危険除去を自民党候補は主張したが、その当事者である普天間基地のある宜野湾市ですら、野党候補が大差で票をとっている。自民党政権が民主主義を守るのであれば、普天間基地の辺野古移設は進めてはならない。海兵隊の日本駐留を安倍政権が必要とするなら、沖縄以外の地域が負担の分担を進める必要がある。どこでも海兵隊はいやなのである。嫌なものを沖縄にいつまでも押し付けることは、許されないことだ。どおしても海兵隊が沖縄にいたいのなら、無人の離島に移転するしかない。それが嫌だと言うのは、アメリカは今でも占領しているつもりだからだ。それにしても、安部政権は先読みが鋭い。この先支持はかならず減少する。経済の悪化は誰にもわかるようになる。それで、泡を食ってやらなくても良い選挙をやった。それが、52%という最低の投票率になった。