有機の里づくり協議会の報告会

   

有機農業技術講演会の開催について(お知らせ)

1. 日 時  平成24年 3月25日(日) 10:00~11:45(9:30開場)
2. 会 場  生涯学習センター「けやき」 ホール
3. 内 容  有機農業技術講演会
第1部 事例発表(10:00~10:45)
① 「コマツナの有機栽培」       株式会社 報徳農場 田嶋 享
② 「水稲の有機栽培」         NPO法人 あしがら農の会 笹村 出
③ 「キウイフルーツの有機栽培」   有限会社 ジョイファーム 長谷川 功
④ 「小田原における有機栽培」    小田原有機農法研究会 石綿 敏久
第2部 講演「根圏環境と有機農業」について (10:45~11:45)
         明治大学 農学部 特認教授 佐倉朗夫 氏
4. 参加費  無料

今日のことになってしまったが。佐倉先生の講演会がある。根圏の事を話してくれる。土壌を考える上で、根と土壌の関係がどうなっているのかが、肝心なことである。特に有機農業を行ううえでは、微生物が作り出す、土壌の世界をどう感じるかが、農業者として一番大切だと考えている。土壌が豊かになる。土壌を育む。このことは植物にとってはどういうことなのか。このイメージを膨らませることが、自分の農業を作り出すカギだと思っている。有機農業にも様々な系列がある。100人100様の農業がある。それぞれの農業を作り出すカギが、今日の講演会にはあると考えている。

あしがら農の会では、私が「水稲の有機栽培」を報告させてもらう。話す内容のメモ。舟原で昨年行った栽培を具体的に報告しながら、稲作の有機栽培が難しくなく、どなたにも実現できる事をお伝えしたい。

○一番問題になる、雑草対策の事を話させてもらう。
8センチ以上の深水にすれば、ヒエは発芽しないこと。その為には平らな田んぼを作ること。稲は水没しても枯れない。田植え直後から一度も8センチより下げないと、分げつが取れない心配があるが、16分げつ程度で収量は8俵行く。

○コナギについては、トロトロ層を作ること。トロトロ層が厚くなれば草は減る。軟らかい土の層にコナギが埋もれてしまい、発芽しにくくなる。又機械的ななコロガシやチェーン除草効果が高まる。トロトロ層は微生物が何年もかけて作り出す。腐植質を増やす事が、重要なことになる。

○堆肥を入れる。緑肥を作る。藁を返す。堆肥は冬の間に田んぼに入れてやる。最初は、2トンは入れる。秋起こしの際に入れるのが合理的である。遅くとも冬の間に入れ、土壌と撹拌して置く。堆肥の肥料成分で稲を育てるのではなく、堆肥で土壌の微生物環境を改善すると考える。堆肥は土壌が良くなるに従って減らす事になる。土壌が良くなるの目安は、トロトロ層がどれだけの厚みで形成されるかである。

○堆肥の性格が重要である。堆肥は完熟したものを使う。肥料成分を重視するのでなく、腐植質の増加と考える。冬の間に良い微生物を土壌の中に増やして置くと考える。腐植質は耕作によって減少して行く、特に機械的なトラックタ―の過度の耕運は腐植質を分解して減らす。常に不足を増やす気持ちでいなくてはならない。

○田植え直後に、米ぬかあるいはソバカスを散布する。すると、これを餌として膨大なミジンコが発生する。田んぼによってはイトミミズの発生もある。そうして、トロトロ層が形成される。これがうまく行けば厚いトロトロ層が撹拌される。

○チェーン除草を初期2回、コロガシを1回行えばかなり雑草は抑えられる。

○お米は水で採るという。水の駆け引きがとても重要になる。土壌の性格、水の性格で一概には言えないが、初期水温を上げてやることが重要。○有機栽培では、初期生育が悪い。分ゲツの確保が難しい。分げつは、最終的にも16程度で8俵とれる。
○深水で貯め水で行う。入水口に水温の上昇するため池を作る効果もある。可能な場所では、干しを行わず、稲刈りギリギリまで水を入れて栽培をしている。

○穂が大きくなる。無効分げつを減らすことが出来れば粒張りも良くなる。

 - あしがら農の会