発泡スティロール箱:生ごみの堆肥化法
段ボールコンポストの優れた所は、生ごみ堆肥化に、はじめて取り組む人にも可能な所だ。基材も工夫したものであれば、初心者でも比較的楽にスタートを切れる。しかし、いくつかの欠点がある。湿度の調整が効くと言う段ボール素材の長所が、逆に雨にぬれて痛むとか、湿気で底が傷みやすいとか、段ボールの交換が面倒くさいということがある。もう一つの欠点が、虫が湧きやすいと言うことである。蓋やら隙間から、臭いに誘われて虫が入り込んで困る。ともかくわずかなきっかけで止めることになるので、よりよい方法は無いかと実験を続けている。最近これならばと言うのが、発泡スティロール方式である。トロ箱方式である。ここに剪定チップを入れただけという、いたって簡単なやり方である。2回の実験をした。一回目はただ、段ボールの代わりに発泡シティロールにしたという方式だった。これでも出来たのだが、朝夕、手袋をしてかき回すというのが、必要だった。
2回目目の実験として、より簡単に出来ないかと実験をしている方式が、2箱方式である。現在2ヶ月に入り順調であるので、もう紹介できるかと思う。ただし、段ボールで生ごみの堆肥化の原理を、充分に身につけてから始めた方がいいと思う。中に入れる基材は剪定チップのみである。これなら無料で誰にでも手に入る。用意するものは、蓋つきの発泡スティロール箱2個。温度計。古タオル2枚。基材として剪定チップ、ない場合は、オガクズ、カンナ削りかす、でもいい。蓋にする布出来れば、不織布。布を止めるゴムバンド。米ぬか。どの材料も、貰えるものである。あるいはあり合わせのものでいい。生ごみをたい肥にする趣旨から考えても、新たにごみを生み出す方式は良くない。
スティロール箱は蓋があれば便利であるが、無くても不織布を使えば充分に可能である。野外に置いた場合、不織布のカバーがあれば、少々の雨なら問題がない。チップを箱の半分に入れて、生ごみを入れると言う事だけである。生ごみを次に入れる際に、空(から)の方の箱の底にタオルを引いておく。そしてこぼさないようにザザ―と空ける。半分開けたら、次の「生ごみ」を入れて、残りの基材をすべて空ける。初期は熱が出にくい場合もあるので、その時は、きっちり蓋をして置く。必ず温度計を中にさして置き、入れ替える際に温度を確認する。40度を越えていればよい状態。65度までは上がる。特に生ごみをほぐす事も、細かくすることもない。500グラム毎日入れると言うことが基本。生ごみが足りない場合は、その分時間がかかる。米ぬかはまだこの段階では加えない。生ごみはどんなものでも入れていいのだが、植物系ばかりの場合は、温度が上がりにくいので、時に米ぬかを加える。
剪定チップを使えば、大抵の場合はすぐ温度が上がる。温度が上がらないときは、全体量が増えて来る。増えて来ても2週間後頃には温度が上がリ始める。温度が上がれば、カサが減り始める。出来る限り蓋はしたままの方が虫が入らないからいいのだけれど、3週間もすると、水分飽和状態になり、温度が上がらなくなる。その頃から蓋を不織布に変えるといい。底のタオルは使わない一日おきに干して置き乾かす。乾かしてはまたトロ箱の下に引く、茶色になるが気にしなければ、1カ月そのまま使って居ても問題は無い。臭いなど特にしないが、もし出たようなら、「えひめAI」をスプレーしてやると、臭いも減ずるし発酵の調子も良くなる。入れるごみの状態によって、温度が30度台になった場合は、米ぬかを加えると60度を越えるようになる。湿度が高くなった時は、基材を加え調整する。日々500グラム入れて、2ヶ月は大丈夫である。