海に行く放射能
政府は年間被ばく量20ミリシーベルトまで、帰宅できると決めた。帰宅できるようにそこまで放射能汚染の除去を行うとしている。全く馬鹿げている。どう考えても不可能なことだ。長期間1ミリシーベルトを超える地域は、本来住んではならない。法律でそのように決めてある事だ。これを簡単に20倍にもしてしまうことは、人体への影響を20倍に高める事だ。高濃度汚染地域の方には、酷な申し訳ない言い方になるが、子供が育てられないような地域に、人は住み続けることはできない。年間1ミリシーベルトの被ばくを政府は、理由なく取り去ったが、少なくとも子供たちはできる限り1ミリシーベルト内で暮らすべきだ。その前提で、どうすれば1ミリ内で暮らせるかを、ただ放射能を畏れるのでなく、科学的に自分の暮らしている場がどのレベルかを調べる必要がある。
放射能で分かることは、ただ不安をあおる情報もネット情報には多々あるし、政府のようにごまかしで小さく見せようと言う情報もある。これらのなかから、正しい情報を読み取る判断力が必要になる。情報の整理と言う意味で、これからの変化を私なりに考えてみる。測定の数値は全般で言えば下がってきている。2年ほどすれば、現状の40%程度になるということが見えてきている。これは半減期と言うこともあるが、風で飛んだり雨に流れたりしながら、下の方に、海の方に流れていると推測される。その様子が分かる情報をまとめて見る。
以下の情報は信頼性していいかと考える。これから山野に降った放射能がどのような変化をするのか。新たに放射能が流れ込むことのない場所では、半減期よりも急速に、おおよそ倍くらいの速度で減少している場所が多い。風や雨の影響で、放射能は特徴ある場所にたまっているということ。川や地下水から海というルートもあれば、田んぼや湖遊水池、吹きだまりへの蓄積。扇状地への蓄積。放射能は水に溶けて移動すると言うより、土砂や腐植質とくっついた形で、飛ばされたり流されたりしている。田んぼへの流入は何としても止める方法を考える必要がある。冬季水を入れることは極力避ける。山では土壌への吸着は少ない。針葉樹の葉や、落ち葉、腐葉土への吸着の量が大きい。これは雨の時に流れ出る確率が高い。
水深5千メートルの泥にセシウム 東北の太平洋、原発放出 2011年12月23日 19時42分
東日本大震災の震源域である東北地方の太平洋海底で、水深約5千メートルの深海の泥から、東京電力福島第1原発事故で放出されたとみられる放射性セシウムが検出されたことが、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究グループの23日までの調査で分かった。セシウムが検出された泥は水深約120メートルから約5千メートルまで広く分布。全体として高濃度ではないが、測定結果についてグループの池原研・産総研副研究部門長は「おおむね、福島県に近いほど濃度が高い傾向にある」としている。
京大などは文部科学省の委託を受け、6月から8月にかけ、本流の中流や河口付近、福島県内の支流で流量や放射性セシウムの量などを観測。運ばれるセシウムの総量をはじき出した。 福島県中央部を流れる阿武隈川から海に流れ出る放射性セシウムの量が1日あたり約500億ベクレルにのぼることが京都大、筑波大、気象研究所などの合同調査で分かった。福島第一原発事故に伴い、東京電力が4月に海に放出した低濃度汚染水のセシウムの総量に匹敵する。専門家は継続的な監視が必要としている。 阿武隈川は福島県郡山市や福島市を北上、宮城県岩沼市で太平洋に注ぐ。流域面積は5400平方キロで、事故による汚染が大きい地域が広く含まれる。
東京新聞(11月23日)より引用
東京電力は海洋への放射性物質への放出量(ヨウ素、セシウム)を4700兆ベクレルとしてきたが、「身内」である電中研、日本原子力研究開発機構の研究者が「実際の放出量は東電発表の3倍」という試算値を公表。東京海洋大の石丸隆教授「海に流出した放射性物質は当初、すぐに希釈されると思われていた。ところが、計測データーを見ると、実は濃いままに沿岸を南下している」「海面付近の汚染は薄まっているが、ふんや死骸が落ちる海底に放射性物質が蓄積される」「海底にもホットスポットがある」
海の放射線濃度
フランスIRSNの海洋汚染の分析
文部科学省の海底土のモニタリング調査結果