12月の生ごみサロン
12月21日に生ごみサロンが開催された。毎月開かれているサロンだが、暮れにもかかわらず50名以上の人が参加してくれた。6名の方から様々な生ごみの堆肥化と言うことで報告を聞かせて頂いた。これがとてもレベルが高く、それぞれに学究的な取り組みと言うのか、学ぶ所がたくさんあった。この取り組みは段ボールから始まったものだが、2つの課題がある。段ボールは素晴らしい材料ではあるが、水分に弱く耐久性が不足する。水分が抜けてくれるというところが長所でありながら、短所にもなる。当然雨にも弱い訳で、野外では管理に困難が伴う。上手く使っても半年位が使用期間である。段ボールを変えて使えばいい訳だが、やはりそれは障害である。もう一つが虫が隙間から入り込む事だ。虫は臭いに引き寄せられるので、生ごみがあれば当然集まってくる。そこで福岡では段ボールの蓋を閉じた取り組みもを推奨している場合もある。しかし、その方法も水分の問題があり、痛し痒しである。
そこで考えられる方法が、耐久性のあるプラスチック箱や、発泡スティロール箱を使う方法である。確かにこれでもできる。出来るのではあるが課題がまだいくつかある。段ボールの方が、初心者には失敗が少ない。吸湿性のある素材が、中の基材の水分過多を緩和してくれる。この点をどう解決すれば、誰にでも出来る耐久性のある、方式がないか研究している。私も2度目の発泡スティロール箱で今やっている。中に入れたものは剪定チップだけである。オガクズのように細かいものでなく、1センチくらいのものも混ざっている。生ごみを500グラム入れるだけで、追加に米ぬかなど一切入れない。朝晩2回ゴム手袋をして、隅々までふわふわに撹拌した。この際にえひめAIを吹き付ける。スタートから3週間それなりに出来た。特に3週目は50度を1週間超えつづけた。ところが、その後、急速に温度が下がり、水分過多の状態になった。水分は撹拌のとき以外は抜けないのだから、当然どこかでこうなる。3週間で10キロの生ごみとして、水分は8キロ8リットルの水を基材の吸い込み、限界になるということ。
濡れた基材を野外でシートに広げて、2日間乾燥させた。再スタートである。米ぬかを加えて、上部の発泡スティロールの蓋を取り、布のカバーにする。これで可能かどうか。もう一度やってみる。2日目40度を越えた。この方式では野外に置く場合、蓋をどうするか残念ながら問題がある。報告の中に、不織布のカバーだけで雨は大丈夫だと言う人もいた。中にタオルを掛けて、その上に不織布をする方式もある。研究中のものに、側面や底に穴を空け、蓋はそのまま使う方式で取り組んでいる人が居る。これも今のところうまくいっているらしい。しかし穴から虫が入るのだから、今度は虫が入らないためには、ほかの工夫が居るだろう。これも課題である。さらに穴の上に不織布を張り付けてやっている人もある。これも良いらしい。しかし、穴をあけたり、不織布を張ったりが面倒くさそうである。簡単で、単純でなければ普及はしない。やはり蓋が無い状態で、不織布カバーでしばらく実験を続けたい。
中にタオルを入れて、水分を吸収させて、取りだし交換すという方式もある。また、朝晩2回の撹拌は負担だという考えもある。箱を2個用意して、入れ替えをする事で簡単にかき混ぜると言う方式もあった。それなら、底に水分を吸うものを入れて置き、入れ替えるときに底にそれが残る。そして、乾かして置き、繰り返し入れ替えると言うのはどうだろうか。入れる生ごみを一度干すという江戸川区の方式もあるが、その手間はやはり負担である。大きな箱は邪魔だと言う人もいた。2個の箱など邪魔だと言う人もいるだろう。思い切って小さな発泡スティロールの箱にして、両者を入れ替えながら行うと言うのはどうだろうか。いずれにしろ、生ごみクラブで大勢で実験をしながら取り組んでいるので、急速に普及しやすい方式が見えてきている。