ロケットストーブを作る
ロケットストーブには以前から興味があった。この冬には必ず作るつもりでいた。このストーブは、燃料が少なくて済む。従来のものより、4分の1から、7分の1で済むというのだから画期的だ。こんな自給の暮らしの工夫が最近に出来たというのだから、自給の暮らしもまだまだ工夫だ。写真のものはいわばエンジン部分である。全体を覆いと蓄熱を兼ねたカバーが、ストーブの本体になる。原理は簡単で、煙突の中に高温部を作ることで、焚口から炎を引く、この程度のもので従来の煙突の30メートルの高さに匹敵すると言うからすごい。煙突の部分をどのように高温にするかと言えば、熱を逃げないようにすればいい。この場合、パーライトを煙突の周囲に15センチくらいの厚さで詰め込んである。保温はグラスウールのようなものでもいいし、瓦や煉瓦のようなものでもいい。しかし、パーライトは軽いというところが、長所で一番使われているようだ。パーライトは黒曜石を高熱で発泡させたものらしい。
燃料が節約できると言うことは、完全燃焼できるということである。保温された煙突の部分では、やってみた様子では、1300度までは上がると思われる。ふいごで煽っているような状態になる。煙突の耐熱性は大切になる。炊き付けた時の焚きつけが舞い上がるが、この煙突からは煙は出ない。炎が引き込まれる音が、ロケットのようなので、ロケットストーブ名の由来だそうだ。なるほどと言うような音がしたが、小さな音である。今回はあり合わせの材料で、原理を知るために作った。次回は焚口の工夫と外観を美しくしたい。煙突は管からはみ出ている上部は切り捨てる。そこに鉄板を持ってきて、調理台にする。同時に蓄熱もするようにしたい。側面背面は木材でも構わないのだろう。前の焚口部分だけは、鉄板を加工して、空気の吸い込みを調整したい。ペレットが自動的に落ち込む仕組みに出来れば、燃料の自動補充型ストーブに出来るだろう。
全体を横型にして、熱を低い位置で利用する形もある。また、焚口の側面に耐火ガラスを組み込めば、炎が流れる状態を見ることが出来る。蓄熱を耐火煉瓦で行う場合など、横型の方が安定している。焚口は当然空気の流入を調整する工夫が居る。空気の流入を絞り、細く高温で燃焼させることで従来のストーブの煙突部分を断熱構造にするだけの工夫もあり得る。この程度の煙なら、小屋の中に放出しても大したことではないような気がする。薪ストーブの改良をする事もありうる。煙突を短くしてグラスウールを蒔きつけて焚いてみるだけで、結果が分かりそうだ。もしかしたら、耐火れんがを置くだけで炎の引き方が変わるのかもしれない。これは是非やってみたい。今までは煙突で苦労していた。煙突を長くしなければ引きが弱いし、針葉樹を燃やすと煙突に油煙がたまる。掃除も大変だし、火事も怖い。煙突は短くて良いらしいから保温剤である。
焚口の大きさと、煙突の太さは同じが基本らしい。温度差が重要で長さはあまり関係がないらしい。いろりを思えば、完全燃焼させれば最小限の家のようなすかすかの家なら、室内排気でも大丈夫だろう。この冬は煙突なしのストーブに挑戦である。煙を引く部分が断熱されて、蓄熱されればいいなら、アイデアは色々ある。この程度の工夫が何故今まで気がつかなかったのか。江戸時代にはこういう釜戸はなかったのか。瀬戸屋敷の煙突のない釜戸は、燃料の節約と言われていたが燃えにくいことが弱点である。慣れないと煙がひどい。ロケットストーブの構造の工夫はまだまだある。オンドルのような使い方も可能だろう。排熱を床暖房にするなど応用は無限にある。実は安曇野の舎爐夢ヒュッテ 臼井さんでは「わくわくストーブ」と言うすごい物を作っている。