山北町の土壌放射能調査
国が行った調査で、神奈川県西部では山北町の一部に高濃度の場所がある。1万ベクレルを越えると記載されている。調べてみると、すでに山北町で独自に土壌調査を広く、18か所で行っている。県西地区唯一土壌測定をした山北町行政の姿勢を高く評価する。ともかくこの数値が予想よりは幾らか高い。できれば土壌の採取法を知りたい。政府の行った調査は、ヘリコプター500メートル高度で3キロごとの神奈川県の空間線量の測定結果が出ているが、これは、実に大まか過ぎる調査結果だ。この程度の大まかな調査は4月には行っていなければならない。駄目な政府を持った悲しさである。高濃度は丹沢山塊の北側の端の事だ。丹沢山や塔ヶ岳の北東斜面あたりのようだ。これは小田原での結果と同じ傾向である。一定の高さで、福島からの放射能雲が流れてきてぶつかったところが高濃度になった。小田原が低いことは、良かった。
山北町では、行政が実際の土壌調査をしている。小田原市は県の役割であるとして、行わない。ある市会議員さんが、そんな財政的余裕がないと言われた。恐るべき感覚である。焼却飛灰の測定、汚泥の測定をせめて数回は行うこと。せいぜい10万円である。今や暮らしに不可欠になっている。さらに言えば、小田原では数値の高い箱根北東斜面においても、わずかな地形や気流の違いで、相当に濃度が違う。また、そのときのつまり、3月中旬の土壌表面の状態で、全く違う現状に成っている。落ち葉がその時に蓄積していたような土壌に置いては、落ち葉に吸着して居る可能性がある。落葉樹の林の下の層である。さらにその後の雨で、セシュウムが貯まって行く地形のところがある。田んぼで言えば、水を入れた5月にはすでに水の汚染は低下していた。いずれにしても、細部的要注意個所の測定と広域的な数値の把握を並行して進める必要がある。
食品から放射能体内取り込みの問題がある。これは、子供たちの問題と大人の問題を分けて考えるべきだ。大人は、100ベクレルの食品までは覚悟して、喜んで食べる。たとえそういう食品が混ざったとしても、一般的に食べるもの全体では、10ベクレル以下であると推測される。これも早く政府が標準的数値を出すべきだ。子供には別枠を設けて、できるかぎり食べさせない。現状そうした食品を手に入れることは、福島県を除いては可能になってきている。小田原の農産物では特定のもの以外放射能が10ベクレル以上含まれている可能性は、殆どない。川崎の柿で全セシュームで4,5ベクレルとなっている。福島の10分の1程度となる。特定なものとはキノコ、山菜、6月に採れた小麦。田んぼで言えば一番高い土壌で200ベクレル程度であろう。移行計数の全国のデーターから、1ベクレル以下であることは確実である。つまり、大多数の農産物は、事故以前の水準に戻っている。そのことは、段ボールコンポストの堆肥測定、および焼却灰、汚泥焼却灰から推測できる。
しかし、この検査回数が少ないことが問題である。せめてもう一度早急に行えば、数値の変化で現状の把握が出来る。すべての食品については1ベクレルまで正しく測定できる機器で行う事は現実的ではない。厚生労働省発表データーを詳しく見ることで、推測して行く事が今出来ることだ。測定の費用を食品の価格に反映できない。東電は測定費用を持つとは、言ってくれない。沢山のデーターを比較確認すれば、どのようなものが、含まれる可能性があるか、おおよその自己判断が出来る。例えば、お茶で分かったように、常緑果樹などは樹木が吸い込んでいる量が多いのだから、落葉果樹より多い。例えば月桂樹、びわ、みかん、などは少しはある。葉物は少ない。根物も予想された数値より低い。これからデーターはさらに増える。自己判断能力を高める必要がある。