段ボールコンポストの価値

   

生ごみクラブの7名で、市長と環境部長とに以下の考えを提案した。どのような結論になるかは、予算が決まるまで分からないが、現状を直接伝えさせてもらった。このほか、地域連絡所の役割、支所の利用。等も話をさせてもらった。小田原市民の10%が生ごみ堆肥化の実現を目指し、そこまでは何としても生ごみクラブは、全力で頑張るとみんなで申し上げた。

 小田原市では現在、2年目となる段ボールコンポストの配布を行っています。段ボールコンポストを市民活動応援補助金を頂いて、取り組ませていただいた時から4年目になります。今年度は4月の公報による公募では、400件にとどまりました。震災の影響があり、新しいことに取り組む心境にならなかったと思われます。その後、いきごみクラブとして、様々な機会を作り配布を続け、750件越える所まで来ました。
 すでに来年度の準備に入っております。
1、来年も1000件の配布を引き続きお願い致します。
2、継続し3年目に入る人達への基材無料配布の継続をお願い致します。ただし、ごみ有料化が実施されるまでの期間とする。

理由
 無料配布を続けた方が、小田原市の財政にとって、有利と計算されるからです。一般的に経常的経費は、市の財政負担を増加させるという理由で、極力避けるべきと考える点では、同感であります。しかし、生ごみの処理費では、1キロ40円の小田原市の経費が必要です。この原価は検討委員会に示されたものです。この点では、様々な計算法があります。また、ごみ全体が10%以上減量されない間は、効果が検証できない。あるいは、一地域が全体で取り組まないと、効果の検証が出来ない。ごみ会計の財政的性格があります。しかし、焼却場に置いて、市が買い取り焼却する費用であっても、1キロ25円です。いずれ25円~40円に原価があると考えていいのでしょう。

 400円の基材で50キロから100キロの生ごみの堆肥化が出来ます。これは、400円で1250円~4000円の処理が行えることになります。又市の財政的に考えてみると、現在2年目の継続者は500人程度かと思われます。3年目に入り又100名は様々な理由でさらに止めると考えなくてはなりません。残る400人のうち、基材が有料になった時には、半減し200件になる恐れが高いと考えております。このことは、200件の生ごみが増加するということになります。少なく見積もっても年間、100万円の小田原市の負担増になります。つまり、60万円の基材無料配布を止める事で、100万円の負担増加になると言う事になります。

 2年間の堆肥化の経験を積めば、自ら基材について無料のものを見つけるなり、あるいは有料でもおこなう。とも考えておりましたが、止めてゆく人達と接する事を通して、有料になれば半分の人が止めるだろうと言うのが、生ごみクラブ一同の認識に至りました。段ボールコンポストの無料配布は、全国的に見ても注目度が上がってきております。10%の世帯が取り組むことになると考えております。1000件を超える事例は他にありません。小田原の取り組みは、必ず、他の市町村の模範になると思います。

 生ごみの堆肥化の効果は、処理費の削減だけでありません。その良い点をあげます。
1、生ごみが減量され、ごみ処理費が削減される。
2、生ごみが減量さることで、水分量が減り、助燃が不要になり、焼却炉の寿命が延びる。
3、食の循環を体験することで、暮らしの見直しになり、循環する町小田原の原点となる。
4、堆肥が小田原の土壌に戻ることで、土壌の改善になる。
5、市民が生ごみの堆肥化に取り組むことで、今後予想される、エネルギー自給のまちづくりなどの、市の事業への参加者意識が高まる。
6、市と市民の協働事業のより良い形の、テーマコミュニティーの実験になっている。
7、次の段階で、生ごみの収集を行う場合、10%の市民の取り組み体験が、生ごみ分別意識として役立つことになる。

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