原発放射能汚染補償
農の会では、独自に原発事故にともなう、放射能汚染に対する請求を行うことになった。JAの被害補償請求枠組みでは、農の会の被害は含まれないからである。農の会のお茶の場合、500ベクレルを下回ったからと言って、販売が出来ないという現実がある。JAの補償請求の方針は、お茶が500ベクレルより下がれば、現状回復されたということだそうだ。それでは農の会だけでなく、有機農業をしているものすべてが、困難に陥ることになるだろう。有機農業に置いては、JAS基準と言う生産の枠組がある。基本的に、化学農薬や化学肥料を使わない昔のような農業である。放射能は基準が無かったとは言え、当然入ることは想定されていなかった。その野菜を購入してきた消費者は当然、放射能に対しても厳しい反応をしている。これを風評被害とは言い切れないと考えている。又、生産者の側でも、ひたすら土づくりをしてきた努力のすべてが、空しくされてしまったというやり切れなさがある。自分の日々の努力が台無しにされた怒りがある。
こうした有機農業に取り組んで来た農の会として、ただ一番茶が出荷停止だったというだけのことで、済ます訳にはいかないという結論に至った。その第一は、今回の放射能汚染の原因は明らかに、福島第一原発の、大地震に伴う事故によるものである。原因たる原発を停止させることが、補償問題の主目的であるはずである。二度と放射能汚染が起こらないということが、確約されない限り、補償が果されたという認識に至ることが出来ない。原発の存在がある限り、不安を抱えたまま、有機農業の1000年を見据えた農業は出来ない。農地と言うものは、個人の所有のものでない。日本の山野すべてが、未来のここに住むであろう人たちと共有している。ご先祖たちが、そうして残してくれたこと土地を、放射能で汚染してしまい、使えないようなものにしてしまっては、ご先祖にも、又未来の子孫にも許されない。
農の会では以下の請求を行う。
1、東京電力と日本国政府に対する、福島第一原発事故に対する責任の確認と謝罪。
2、農地から放射能を取り除く、努力に対する補償。
3、500ベクレルを現状回復とするのでなく、生産物が販売できるレベルに至るまでの、補償。
4、土壌や生産物の、放射能を測定する費用の補償。
5、原因たる原子力発電所の廃止。
6、農の会の基本的考え方である「地場・旬・自給」の保証。
このまま原発の電気で暮らしているのでは、日本の土地を汚染した、最低な平成の人々として記録されることに成る。すべての元凶は金権主義である。お金がすべての価値観に優先した。明治政府以来の間違った思想が、原発事故に至る道であったことを自覚すべきだ。それは、原発を反対し続けてきた人も、一切購入電力を使わないで暮らしていた人であっても、ご先祖、子孫に対しては、責任が存在する。これ以上間違いを繰り返さないことしか、今に至っては許される道は無い。玄海原発の再開をこれ程拙速に行おうという政府の愚かさは、必ずもう一度事故を起こすに違いない。目先の経済競争に目がくらみ、日本の経済界は先が見えなくなっている。福様第一原発の事故対応を見れば、どれほど人間が出来ることは、愚かで低レベルなものであるかが、明らかである。対応の後手後手。人為的なミスの連続。この低レベルで、危険な綱渡りに日本人を道ずれにすることは、止めてもらおう。
昨日の自給作業:コロガシ2時間草刈り2時間 累計時間6時間