小田原有機の里づくり協議会の目的
有機農業の支援の補助金の申請が、30日の締め切りだった。一応は申請してみた。有機の里づくり協議会に、事務局員としてかかわっている。行政と有機農業組織との、連携がうまく作り出せない。行政は普及をしたい。普及に農家に手を貸せと言われても、違うしまたできない。農家が行っている農業を行政は支援する。普及などというのは、農家がやるべきことではない。行政と農家の協働と言う仕組みでは、互いの認識が食い違う。有機農家を増やすというより、今ある有機農家に対して、経営できるようにするのが、最初の目的である。有機農業はよほどの思いが無ければできない。3%の人が理念を持ってやる農業の段階である。儲けたいからやるとか、経営的にいいから行うとか、そういう人に今のところやれるような農業ではない。よほどの信念がある場合。あるいは特別の経営手腕がある場合。可能となるのが、有機農業である。普通の農家に、行政がお勧めするようなものではない。
最近は経営が出来ないようなことを、推進するのは感心することではないと思うようになった。食べてはいけないが、どうしてもやりたいという人なら、知っていることはすべてお伝えしたい。しかし、普通の農家の方に、有機農業の方がお勧めですよ、とはとても言えない。あしがら農の会は『地場・旬・自給』なのだ。市民が自給農業をやる以外にないと考えている。だから、今の枠組みである、有機農業でありながら、収益向上など補助金をもらいながらでは、申し訳ない。今回の申請もその意味ではおかしいこである。ただし、有機農業を行って居るなら、補助金を出すので申請しろと言われて、出さないというのもまたおかしい。出さなければ、行政的には、いないのかということに成る。しかし、申請は負担であった。書類を書くということが、暮しの中にない。書くぞと覚悟を決めても書けない。そんな農家は案外多い意だろう。原発放射能汚染保障の方の書類もそうだ。
ジョイファームのメンバーの方々は、農家でいえばプロ中のプロ集団だ。並みの人たちではない。すごい能力の人たちだ。接してみてつくづく知った。並みでないから出来る事がある。一方、MOAの人たちは、やはり信仰で支えられている独特の人だ。気持ちの良い、暖かい方ばかりだ。やはり、並みの方ではない。この人たちだから、何十年と継続されているということが分かる。接する田んぼに、賠償金を払っても自然農法を継続したという人もいる。もう一つの報徳農場は、新規に農業法人を立ち上げた、いわば異業種からの参入である。ここの皆さんは経営ということが大前提だ。だから、有機農業では経営できないのではないかと、いつも疑問を持たれている。正しい観点である。利益を考えたら5年間畑が出来るのを待つ。などということはできない。もっともなことだ。
「あしがら農の会」は、このままでは農家が農地を管理できなくなる。市民が農地の管理を引き受ける時代に備えようという組織だ。市民が自給の為なら、生産性とか、経営とかから離れて、環境保全も兼ねた、循環型の農業も可能である。必然有機農業ということになる。行政はこうした各団体の実態を理解したうえで、有機の里づくり協議会にかかわっているのだろうか。多分、農業を知らない為に、すごい勘違いをしている気がする。農協が関わらないのは農業を知っているからだ。自分の利益から考えても、とても危険な特殊なことだと見ているのだろう。こんなことが普及したら、えらい迷惑だ。というのが本音かもしれない。しかし、こういうもろもろを含めて、国に農業の展望が無い。その証拠に、戸別保障などという、知恵のない、子供手当と同じ穴の狢。こうやって、農業全体に方針が無い中で、有機農業の収益向上など、夢のまた夢。
昨日の自給作業:コロガシ2時間 累計時間:2時間