緑のカーテンの作り方
この夏は暑くなりそうだ。冷房なしで暮らせるようにしなければならない。自給生活としては、夏場家を緑で覆うことである。急に屋根緑化と言っても難しいので、緑のカーテンを作るのはどうだろう。昔なら「すだれに朝顔」の夏の風物詩である。植物は水分を沢山蒸散しているので、夏の夕暮れなど、葉っぱに内水などしてやると、涼しくなること請け合いである。種をまくなら今がちょうどいい時期である。窓辺は朝顔か、夕顔で毎年覆っているのだが、今年はもう少し屋根まで登るような植物が良いと考えている。かぼちゃが一番である。肥料さえやれば、2階建の家でも一年で完全に覆えるほどの勢いがある。子供の頃、仮設した小屋に住んだことがある。大きな穴を掘って、急ごしらえのトイレを作った。トイレを埋めた後にかぼちゃの種を蒔いた。それが延びること伸びること、夏には家を完全に覆っていた。それ以来、夏の屋根にはかぼちゃだと考えて、舟原でも何度も試みて成功している。
まず、かぼちゃは苗で作った方がいい。今どき3月から4月種を蒔く。かぼちゃは食べようなどと思わないで、いや、食べてもいいのだが、美味しいのを食べようなどとは思わないで、ぐんぐん茂らせること。草勢が旺盛とあるものを選んだ方がいい。窒素肥料を出来るだけ多めに入れる。入れ過ぎかと思うほど入れても、かぼちゃは平気で大きくなる。堆肥の中からかぼちゃは発芽するほど、肥料分に強い。苗づくりは3月に入ればすぐ種を蒔いてもいい。暖かいところで管理することである。種をまいたら、同時に植える予定の所に出来れば60センチ深さも60センチ以上の大きな穴をあけて、鶏糞たい肥を20キロ入れて、土となじませておく。一間に1本植えれば大丈夫である。一本で1軒を覆ったこともあるが、2,3本植えた方が確かである。
場所は日当たりの良いところがもちろんいいが、それほど日照が無い場所でも、日当たりを目指してぐんぐん伸びて行く。苗の本葉が出てきたら、いつでも地面に植えていいが、暖かくなるまで苗場で管理した方が、安心である。植えこんだら、竹の棒を家の屋根まで伸ばす。そしてかぼちゃの生育に合わせて、紐で結わえてやる。風で折れてしまうのがかぼちゃの一番の欠点だ。屋根まで登る頃には、枝分かれもしているので、上手く窓を覆うように誘導してやるのが良い。屋根にはネットを張れば安定して伸びる。台風に備えて、あちこちを止めてやれば親切である。そのうちあちこちで実もなりだすだろう。10センチほどになったら、紐で支えをしてやる方がいい。余りいじると駄目になるので気おつけて触ること。指をさすと落ちると言って子供の頃、おばあさんから怒られたものである。
かぼちゃでは少々風情が無いという人は、ひょうたんやへちまも丈夫で緑のカーテンにはうってつけだ。趣味と実益を重視する人なら、トマトやキュウリ、最近ではゴーヤなど、よく見かける。ベランダでやるなら、プランターで十分に出来る。そんなものもないというなら、厚手のビニール袋に段ボールコンポスト堆肥を入れて、そこで管理すれば、一銭もかからず食の自給体験が出来る。夏野菜の花は、それなりにいいものである。茄子の花など色合いが深い。充分に管理をすれば、窓を覆うぐらいのことは出来るはずだ。窓辺にプランターを置いて置き、今の時期はサヤエンドウ。この後はトマトというのが、最近の我が家のやり方であるが、かぼちゃをさらに加えてみる。今年の暑い夏が今から待ち遠しくなる。