2月の農作業・育苗土

   

2月はいよいよ苗作りである。夏の果菜類は順次種蒔きの準備。まず育苗土が良くできているかの試験をしてみる。毎年育苗土で苦労しているので、今年は早めに準備をした。良い苗土とはどんな苗土なのか。種が素直に発芽して、初期生育がすくすくと行く土をイメージする。肥料分はできるだけ少なく。しかし畑に移す時には、それなりの大きさに育っている。それなりとは、いじけた感じがしないということが大事。時間がかかり過ぎて成長したものはよくない。育苗度より温度不足の場合が多いが。いわゆる温室育ちでずくずく育った感じのものも気に入らない。売られている苗より一回り小さい位で、葉色はさわやかな黒味のない緑。そんなイメージである。やはり参考になるのは、苗屋さんの苗。立派で良くできている。あのぐんぐん成長感は必要。そして瑞々しい生命感のある色彩。これを化学肥料を使わないで出したい。

その目標に近づく育苗土。まずまっさらな山土。この辺ならローム層の赤土。草の種などの混入していない初めて外気に触れるような土。好みとしては、貝化石のような柔らかな小石が混じっているところ。大した量いらないので、気に入った土を大切に使う。山土が40%。そして腐葉土。これは昨年の踏み込み温床から掘りだす。ぼろぼろになっているが、とても貴重なものであり、毎年更新しながら使う。稲藁が可成りを占め、山の腐葉土と米ぬかを加えたもの。これが20%。もみ殻薫炭20%。養鶏場の古くなった床材20%。量については重さではなく体積。見た目で決めている。これを舟の中で崩しながら良くかき混ぜる。水分がややしっとり感がある状態に調整する。そして、麻袋で覆って1週間は置く。ここで熱が出たりカビが生えたりしていないこと。2月中旬蒔きを予定したら、月初めには調整をする。もし、カビや熱があればもう一度撹拌して、播種を伸ばす。2月中に撒けば充分間に合う。

育苗土は鉢でなく、苗箱に入れる。踏み込み温床の上に置くので、6箱おけるなら、良く播種の種類と流れを検討する。立て札を立て、種類、日時を記入。苗土8分目に土を入れ、しっかりゆすり平らにならす。均した土に種をまき、上からの覆土は山土だけをフルイにかけながら種が隠れる位にかぶせる。種を植え替えをしないで育てるので、出来上がりの状態を想像しながら播種する。多めに蒔いて、選抜する。発芽がそろわないときはねばらないですぐ蒔き直し。蒔いた苗箱は踏み込み温床に並べ、静かに水やりをする。種まきは午前中に行う。水をやって種が表面に出てきてしまえば、覆土が足りなかったのでもう一度ふるってやる。上から新聞紙をかけて、もう一度水をやる。発芽がそろうまでは新聞をかけたままにしておく。

踏み込み温床はビニールハウスの中にあるのだが、さらにもう1重ビニールで覆ってやる。中には最高最低が記録される温度計を置いておく。山土は稲の苗でふるった残りの粗い土で行うことが多い。もったいないということもあるし、7ミリ前後の粒状に成っていて、生育に向いているということがある。この場合去年の土を使うことに成る。苗作りが、野菜作りに今年の野菜作りの成功がかかっていると考えて、ここには十分力を入れる。失敗をすれば、苗は売られているのだから、挑戦的に技術向上を図る。まずは育苗土が良ければ半分は解決したようなもの。後は温度管理と水やり。温度は踏み込み温床が成功していれば心配はない。土壌の温度を15度位には保てる。上手くいけば20度に成る。少し低くても日中の日当たりが良ければ、心配はない。

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